はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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『思 / 外』

人体色彩画廊I‘NNの夏公演『思 / 外』を、観に行った。
末娘が役者として参加しているのだ。アクリル絵の具を使った演出で、出演者も舞台も、様々な色に染まっていく。眼にも感覚的にも新鮮な芝居だった。

登場人物の男女7人全員が「わたし」のストーリーには、ひとりである「わたし」のなかでそれぞれの「わたし」が見え隠れする。
春。希望に満ち、新しい出会いに胸を膨らませる「わたし」
やがて巡ってくる別れの冬を思い、絶望する「わたし」
夏。夏祭りの思い出を、なつかしく回想する「わたし」
実際にそんなことがあったのだろうかと、問いかける「わたし」
秋。未来を求め旅に出る「わたし」
ただぐるぐると日常を回っているだけだと知っている「わたし」
汚れることを恐れ、自分のなかにこもる「わたし」は目をつぶり、なにも見ようとはしない。だが、否応なく外に触れ、次第に汚れていく。アクリル絵の具は、その汚れの役目を果たしつつ、あらゆる色に染まっていく「わたし」の可能性をも見せていた。

「思い」という言葉の持つ多種多様な方向性が、芝居を広げていく。
「思い描く」は、あることないこと自由に考えること、の他に「思いこみ」「思い入れ」「思い出」など、言葉遊びもリズミカルで楽しく創られていた。『思 / 外』は「オモイノホカ」と読む。
芝居を観ていて「思い出」という言葉が判らなくなりかけ、ゲシュタルト崩壊を始めたが、そうだ「思い出す」から「思い出」なのだ、「思い(記憶)を出してくる」ことが「思い出す」ことなのだと気づいた。

若者達は、いつの時代も葛藤を抱えて生きているのだなあとしみじみ思う芝居だった。そして歳をとるということは、その葛藤に慣れ親しんでいくことなのかも知れないとも考えたのだった。

9月7日まで、あと10回以上の公演があります。

公演後の風景は、写真撮影OKでした。
下には、たくさんのアクリル絵の具が落ちています。

「ぬいぐるみには、わたしの『わた』が入ってる」

JR王子駅すぐ近くの会場「pit北 / 区域」の外観です。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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