はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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青い光の記憶

ゴールデンウイーク前半は、会社の引っ越しがあった。
身体は疲れたが、気持ちは晴れ晴れとしている。オフィス街広がる神田錦町の明るく広々とした事務所への引っ越しとあって、社員達もみな笑顔だった。

「引っ越し」というキーワードで、思い出したことがある。「青い光の記憶」と自分のなかでは呼んでいる16年前に山梨の田舎に越してきたときのこと。
4月に越してきて、家が完成したのは7月後半。大幅に納期は延びたが、子ども達の学校のことを考え、住みながら建ててもらおうということになった。引っ越してきたときの引っ越し屋さんの言葉は、今も耳に残っている。
「家、まだできてませんよ。荷物入れちゃっていいんですか」
何しろ、玄関のドアが、まだついていなかったのだ。

子ども達3人は、それぞれ保育園、小学校、中学と新しい環境になれないことも多く、それはわたしもおなじだった。風呂も入れず銭湯に通い、大工さんや左官屋さんに気を使いつつ暮らす毎日。精一杯やっていたと思う。いや、精一杯どころかキャパを超えていたのだろう。ある朝ひとりになったとき、床にぺたんと座り込み、力が抜けたように動けなくなった。そのとき、曇りガラスの向こうに青くキラキラ光るものが見えた。綺麗だった。陽の光を反射したブルーが、ゆらゆらと揺れ眩しかった。思わず頬が緩むほどの美しさだった。
「こんなところに、いったい何があるんだろう」
期待を込めて窓を開け、脱力した。これから使う木材をブルーシートで巻いて立て掛けてあるだけだった。工事現場でよく目にする、ベタな青色のシートだ。急に可笑しくなり、ひとり笑った。安っぽいビニールが陽の光と作った青い光。宝石でも何でもない、ただの青い光だったのだ。
しかし、それは確実にそこにあり、わたしの疲れた心にしんと染み込むように長いこと留まっていた。じっと見つめていると、胸のなかで荒く揺れていた波が、次第に水平になっていくような変化を感じた。
そして「もう少し、がんばろう」と、思ったのだった。

新天地、神田錦町では、第二便の荷物を載せたトラックを待つ間、20代の男子社員ふたりが窓から高速道路を眺め、赤と青、どっちの車が多く通るか賭けをしていた。モノクロの自動車が多いなか、勝ったのは青い方だったようだ。

青い光つながりで、淡い色合いも涼しいアクアマリンのネックレス。
ブルーを身につけると、何か落ち着きます。

アップにすると、石のなかの模様が浮き出て、綺麗。
間に挟んであるのは、ラブラドライトです。
前世の記憶にアクセスする力を持つ石だとか。

白の上に置くと、また違った趣です。

むかーしむかし、夫に貰ったペンダント。たぶんアクアマリン。

輝きが強いタイプですね。韓国のお土産だったと思います。

白の上に置くと、カットがくっきり見えて全く違う石みたい。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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