はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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蓮の雫

食材の買いだしの帰り、蓮池に寄った。
そろそろ咲いてるかな、と思いながらも、時を過ごしていたのだ。
気づいたときには、その季節が終わっているということが、ままある。気がつけば7月。今年も蛍を見に行くことなく、過ごしてしまった。

果たして、蓮は咲いていた。思い立ったが吉日とは、このことである。
蓮池がある庭園にはベンチが置いてあり、誰でも自由に楽しめるようになっている。先客は、散策するご夫婦らしきおふたり、ベンチでのんびりとおしゃべりを楽しむ女性がふたり、そして、三脚を立て、一眼レフを構える70代くらいの男性がひとり、いた。
わたしは、池の周りをゆっくりと歩き、心にとまるたびにシャッターを切った。そして、カメラのおじさんとすれちがうとき、会釈を交わした。
「綺麗ですね」と、蓮の花を愛でつつ、言い合う。
「少し、遅かったかもしれないねえ。蕾はもうほとんどない。でも」
そう言いながら、おじさんは、蓮の葉を指さした。
「こういうのを撮るのも、おもしろいんだ」
蓮の葉の上には、雫が載っている。見れば、雫を載せた葉が多い。
「太陽の光が綺麗に反射したり、風に揺れて形を変えたりとね」
「なるほど」
わたしはその場で、ススメられるままにシャッターを切った。おもしろい写真を撮れるほどの腕がないことは判っていたが、確かに風に揺れ形を変え、陽を浴びて光る雫を眺めるのもまた、楽しかった。

「蓮は泥より出でて泥に染まらず」とは、蓮が水のなかに居ながらも、こうして水をはじく性質を持っているところから出た言葉らしい。
水をはじく葉の上に載った小さな雫が、きらきら、ゆらゆらと光る。
周囲に染まり、様々なことを吸収していくのも大切だが、染まらずに置いておきたい部分を誰しもが持っているはず。じっと見つめていると、自分のなかのそういう部分が、雫に共振したかのように静かに揺れるのを感じた。

明るいピンク色の花に、気持ちも明るくなります。

水面近くで、ひっそり咲く花もあり。

凛と首を伸ばすように、一輪咲く花もあり。

寄り添うように、咲く花もあり。

蕾には、蕾の趣きがあり。

散った後の花びらもまた、美しく。

開き切る手前のさまにも、とても魅かれます。

花が散った後の姿は、愛嬌がありますね。まるでレンコン。

おじさんおススメのショットです。

雫のなかの虹や空が撮れたら、かっこいいんだけどなあ。

大中小と池がありますが、いちばん大きなこの池だけが満開でした。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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