はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
[199]  [198]  [197]  [196]  [195]  [194]  [193]  [192]  [186]  [191]  [190

湯島天神の転がらない鉛筆

受験生の娘に先月、湯島天神のお守りを買って来た。
去年、修学旅行で行った大宰府のお守りもあるし、いくつもあっても逆にご利益が薄れるような気もするし、あまり喜ばないかもしれないなと思いつつも手渡した。しかし湯島天神と聞くと、娘は意外にも嬉しそうな顔をした。
「鉛筆は売ってた?」と娘。
「あったと思うけど」と曖昧な記憶をたどり、わたし。
「鉛筆があったら、欲しいな」と娘。
聞けば、夏にふたりで観ていたアニメ『黒子のバスケ』の如何にも秀才という顔をした緑間(みどりま)が、勉強ができない火神(かがみ)に呆れ、これを転がして答えをかけと言った鉛筆が、湯島天神のものだったのだ。通称「緑間鉛筆」百発百中とはいかなくとも90%以上の正解をたたき出す。
 
所用で東京に行き、緑間鉛筆ではないものの湯島天神で鉛筆を買って来た。手に取ると鉛筆は六角ではなく四角で、そもそも転がらないものだった。
しかしサンタに合格を頼もうかと迷った挙句「自力で手に入れられるものを頼むのは嫌だよね」と腕時計を頼んだ彼女のことだ。湯島天神の鉛筆は、試験会場で転がされることはないだろう。それでも、彼女の頑張りに一役買ってくれるかもしれない。
神経質な理屈屋、そのくせ常にげんを担ぐ天才シューター緑間は、あまり好きになれないキャラだが「緑間、よろしく!」鉛筆に願をかけた。

女坂を登った湯島天神の入り口です。
本堂は、初詣用にお賽銭箱の増設工事中でした。
あまり風情のある風景ではありませんでしたが、だからなおさら、人ってこうして季節季節の階段を上るように生きているんだなとしみじみしました。

拍手

03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
ご意見などのメールはこちらに midukisae☆gmail.com
(☆を@に変えてください)
Template by repe