はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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洗濯機はナショナル

十年使った洗濯機が、壊れた。壊れたと言っても、動かなくなった訳ではない。運転時間が次第に長くなり、見ていたら、まるで物忘れでもして「あれ? すすいだっけ?」とでも言うかのように、すすぎを繰り返したりしているのだ。節電節水を考え、買い替え時期が来たと判断した。

購入したのは、大きさの変わらないプチドラムで、乾燥まで出来るタイプだが、普段は洗濯のみにして、乾燥は困った時に使おうと思っている。
購入の際、あまりやらないのだが、値切ってみた。この4月に新型が出た型落ちで展示品だったのだ。すると、あっさり1万円ほど値引いてくれた。言ってみるものである。家電量販店でもけっこう融通が利くのだと目から鱗だった。

「で、何処のメーカーにしたの?」と夫に聞かれ、
「ナショナル」と、迷わず答えた。
「あのさ、今、ナショナルってないから。パナソニックじゃない?」
彼は呆れたように言う。「あれ?」と考え、うーんと唸る。
領収書を見ると「パナ」とかいてあった。それを見て今更だが、ナショナルはなくなったのだと気づく。そして「パナソニック」のロゴを見て「ナショナル」と読んだ自分に呆れ、チカラなく笑う。
「テレビはナショナル」と、つぶやいてみる。
その看板は、息子がよく遊びに行った電気屋さんの友人宅にあった。送り迎えした頃には、というか、彼が1歳の時には平成になった訳だが、看板は、昭和の雰囲気をそのままにしていたっけ。
「パナソニック」を「ナショナル」と読んでしまい、文字というものについて新たな感覚が芽生えた。ひとつひとつの記号としてではなく、感覚で捉えているものなのだと。

夫の行きつけのワインバーで、酔いがまわった人に珍しいワインがあるとフランス人の店主が出す酒があるという話を思い出した。ワイングラスに注がれたその白ワインは、じつは日本酒なのだそうだ。白ワインだという先入観と、それまで飲んだフランスワインの酔いに騙される人もいるのだとか。
酒がまわるように、昭和が身体じゅうに沁み込んでいるわたしには「パナソニック」が「ナショナル」に読めても、当然なのだという気がした。

新しい洗濯機さん、これからよろしくね。シャイで寡黙なタイプの子です。
2008年に、ナショナルはパナソニックにブランド名を変更したそうです。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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