はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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ちょっとだけ遠まわり

車のフロントガラスが初めて凍った、秋晴れの日。
ランチがてら夫と町内ミニドライブをした。野菜直販所で大根を買い、たわわに実った林檎畑を眺め、町内の畑で収穫した蕎麦粉をつかった蕎麦を食べた。熱い蕎麦に体の芯から温まった。
「ちょっとだけ遠まわりしない?」
わたしには、夫がそう言いだすのがわかっていた。彼は遠回りが好きだ。いつもと違う道を歩いたり、ドライブするのが好きだ。常に違うもの、新しいものを求めて止まない心を持ち合わせているのだ。
ふたりで出掛けるときにはわたしが運転手になることが多く、彼は助手席で指示を出す。
「あ、そこ曲がって」「えーっ! もうちょっと早く言ってよ」
「だって、今急にこっちに行きたくなったんだもん」
などという会話になることも日常茶飯事だ。
だが最近になって気づいた。自分がひとりでも遠まわりするようになっていることに。
ふたり山を上へ上へと登った。
「向こうの林がきれいだよ」助手席の夫が言う。
「じゃあ、行ってみようか」わたしはハンドルを左に切った。
程なく真っ赤に紅葉したもみじを見つけた。真っ青な秋空の下、もみじが風に揺れるのを見ている時間は思いがけずもらったプレゼントのようにうれしく、しみじみと平穏を感じた。

うちの庭のもみじは紅葉しません 何故!?

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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