はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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行動や思考を支える土台たる部分に染み込んでいるもの

洗濯物をたたんでいて、ふと末娘と一緒にたたんだことを思い出した。
「わざわざ、タオルの縫い目をなかにして、たたむんだねぇ」と、彼女。
「そうだよ。その方が使いやすいじゃない」と、わたし。

ふと思い出したのは、伊坂幸太郎『オー!ファーザー』(新潮社)を再読していたからだ。母親は一人だが、父親が4人いる高校生、由紀夫が主人公。母が同時期に4人とつき合っていた頃、妊娠し生まれたのが由紀夫だ。DNA鑑定もしようとせず、妻と由紀夫を愛してやまない4人の男達。悲哀をたっぷり感じさせるのは、その滑稽さ故。「楽しむために本はある!」と叫んでいるようなエンターテイメント小説だ。

その4人のタイプは、全く違っていて、ギャンブラーの鷹、体育教師の勲、学者肌の悟、女性にモテる葵。共通の趣味は麻雀のみで、4人でジャン卓を囲み和気あいあいと暮らしている。
由紀夫は、その4人にそれぞれの得意分野を教えられ育った。例えば。

由紀夫の頭には、父親の一人である葵の言葉がよぎった。それこそ、由紀夫が小学生の頃から、耳元で葵が唱えていた言葉だ。すなわち「女性が何かを頼んできたら、よほどの悪条件でなければ引き受けろ」という、まさに「そんなこと言われても」と戸惑うほかない教えだった。
ただ幼少の頃に親から聞かされた言葉というものは、子どもの行動や思考を支える基盤、土台たる部分に否応なく染み込んでいるもので、従うものか、と思いつつも、どうしても影響を受けてしまうらしい。

他にも勲には格闘技の基本とバスケを、悟には勉強全般を、鷹にはギャンブル全般を(?)叩き込まれて育った。そんな由紀夫が変な事件に巻き込まれていく。4人の父親たちと共に。その不思議な家族の絆とも言える繋がりに圧倒されつつ、くすくす笑いが止まらない。読み終えて胸が温かくなるハートウォーミングストーリーでもある。

さて、末娘はタオルの縫い目をなかにして、たたんでいるのだろうか?

5月24日映画公開予定です。由紀夫役は、岡田将生くん。

娘に話したのは、お風呂用のフェイスタオルのこと。
夫は最近、今治タオルが使いやすいと気に入って使っています。
わたしは、薄い方が使いやすく、百円タオルがお気に入り。

まさかハンカチタオルは、裏返しにたたまないよねぇ。
でも、こんなトラップに悩まされることも。
  
裏と表が判りにくーい。英語って、パッと頭に入って来ないんだよねぇ。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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