はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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失敗は大失敗に隠せるのか?

ギャングには続きがある。『陽気なギャングが地球を回す』(祥伝社文庫)のギャング達4人は失敗したままでは終わらなかった。
「ギャングの続き、読んでないの?」
伊坂幸太郎ファンクラブ(在籍2名)の仲間が責めるように言い、文庫本『陽気なギャングの日常と襲撃』(祥伝社文庫)を差し出した。
「文庫にしかないボーナス短編付き」と威張る。
「映画には続編の中のエピソードも入ってるらしいね」
わたしも知っていることを言い応戦する。
「映画でも、やっぱ久遠が最高だったね」と彼女。
「松田翔太、二十歳くらいでかわいかったなぁ。それにしてもたびたび言うようだけど」とわたし。
「もう言わなくていいよ」とうんざりした様子で彼女。
「成瀬は大沢たかおにやってほしくなかった」「聞き飽きたから、それ」
大沢たかおさんには本当に申し訳ないけれど、わたしの脳は彼を拒絶する。「嫌い」なのではなく「受け付けない」のだ。まあわたしに受け付けてもらわなくても、大沢たかおさんには何も支障はないと思うが。
「でもさ、でもさ、成瀬が好きなのにぃ」とは言いたくなる。
響野は佐藤浩市、雪子は鈴木京香。ハマり役だ。
 
ところで続編は、外国の諺を使ったサブタイトルが人気。
『巨人に昇れば、巨人より遠くが見える』「自分より大きな人の力を借りて成長できるって意味だと思うんだけど」(成瀬の部下の彼女のセリフより)
『ガラスの家に住む者は、石を投げてはいけない』「弱みを持っている人間は相手を批判してはいけない。逆に批判される可能性があるぞ、という戒めなわけだ」(響野のセリフより)
『卵を割らなければ、オムレツを作ることはできない』「無傷で何かを得ることはできないってこと。オムレツが作りたければ卵の殻は割るしかない。意訳すれば恐れずに何でもやってみようってことじゃないの?」(雪子のセリフ)
『毛を刈った羊には、神も風をやわらげる』「ようするにさ、弱い者には優しくって意味だと思うんだ」(久遠のセリフより)
この4人別々の短編が「日常」で、その4つのストーリーが「襲撃」社長令嬢誘拐事件に連鎖する。そしてボーナス短編『海には逃がしたのと同じだけのよい魚がいる』には、さらに楽しい「日常」のおまけが待っている。
 
「シアターCのオーナーの口癖いいよね『四の五の言わずに勝負しろ』」
「響野の『わたしの言う通りにやれ。わたしのやる通りにではなく』も好き」
「でも響野と言えばこれだね。『木は森に隠せっていうだろ、失敗は大失敗に隠すんだ』」「うーん。まさに響野にしか言えないセリフ!」

木は森に隠せても、薪は森に隠せない
薪ストーブを使う我が家には3年分くらいの薪がストックしてある

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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