はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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自分を疑え

「甲府までいった時に、買ってくるね」と、わたし。
「じゃ、お願いするわ」と、夫。
このところ、そういった会話が、夫婦の間で交わされることが何度かあった。
スーツを着ても履ける暖かめの靴下だとか、今治のタオルだとか。
甲府まで、というのは、大抵イトーヨーカ堂付近まで、ということで、いつものスーパーで買えそうで買えない日用品の品々のことだ。

先週、所用で甲府まで、車を走らせたときのこと。
靴下とタオルと、自分の細々としたものを買い、完璧だ! と思いつつも、不安になった。いざヨーカ堂まで行くと、頼まれたものを突如忘れてしまうことも多いのだ。
「このあいだも、すき焼きの時、ラードもらうの忘れたしなぁ」
豚すきなのに、牛のラードをもらってもいいものかと疑問に思いつつも、忘れたという事実にだけ、注目してみる。
「自分を疑え」
標語をかかげ、思い出せないまま、売り場をもくもくと歩いた。歩くにつれ、不安はつのっていく。と、靴売り場にさしかかり、思い出した。
「そうだ! 靴の中敷き買って来てって、頼まれたんだった」
これでもう完璧だ!やっぱり、自分を疑うことは大切なのだ。ホクホクと喜びをかみしめながら、ヨーカ堂を出て、車を走らせ、ラーメン屋に寄った。

平日のラーメン屋は、昼時も空いていて、のんびりとした気分になる。
後ろに並ぶ人もなく、券売機で券を買うときにも、どれにしようかなと、ゆっくり厳選した。そのうえで、店の看板「ばんから」を選んだ。
カウンターでもいいと思っていたが、テーブル席を案内され、待ち時間に本を開いた。すると、ラーメンではなく店のお姉さんがやってきた。
「あの、券売機のおつり、とり忘れていましたので」
「あ、ほんとだ! ありがとう」
なんと落とし穴は、ラーメン屋にまであったのだ。これは自分に対する疑いを、さらに深めていかねばと、熱々のラーメンをすすったのだった。

麺かため、味うすめ、脂少なめにしました。じゅうぶん脂入ってました。
いろいろ厳選しすぎでしょう(笑)

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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