はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
[1064]  [1062]  [1063]  [1061]  [1060]  [1059]  [1058]  [1057]  [1056]  [1055]  [1054

新大阪駅のけつねうろん

先週末、夫の両親の顔を見に、ばたばたと神戸に帰省した。
ここ、山梨の田舎から神戸の家まで、約5時間かかる。長野県の塩尻経由で電車を乗り継ぎ、名古屋へ出て新幹線、そして新大阪から在来線に乗る。東京周りで行っても、はたまた飛行機に乗ったところで、または車を走らせても、かかる時間は大差ない。
そのゴール地点に近い新大阪駅での楽しみが「けつねうろん」である。
「ビールと駅弁、買う?」「いや、けつねうろん、でしょう」
「だね。新大阪のけつねうろん、まで我慢しよう」
「けつねうろん」とは、無論「きつねうどん」のことである。大阪弁ではそう発音するのだそうだ。出汁の旨味が濃く、醤油の味も色も薄めのうどんで、細麺讃岐うどんにこだわるわたしも、新大阪の駅ナカにあるうどん屋さんの「けつねうろん」は大好きなのだ。お揚げの味も、あっさりしていながらコクを感じさせる。たぬき派のわたしも、ここではきつねを注文する。これを食べると「あ、神戸に近づいたな」と思うほど。変わらぬ味って、大切だ。それが、その土地でしか食べられない味なら、尚更だ。

以前かいた、汐留のうどん屋さんのことを読んで、義母は驚いていた。
「最近じゃ、東京にも、美味しいうどん屋さんが、あるのねぇ」
昔、東京に出てうどんを食べた時、出汁つゆの醤油が濃く、同じうどんとは思えなかったそうだ。
今では、様々な地域で関西風の出汁が効いた薄味のうどんが楽しめるようにはなっているが、山梨では、いまだお目にかかったことがない。「ほうとう」があり「吉田のうどん」があり、好まれる味もそちら寄りなのかも知れない。
帰りには「いかなごの釘煮」を買って来た。「新物」とシールを貼られたそれは、ご飯にぴったりの山椒が効いた神戸名物の佃煮だ。
「やっぱり、その土地でしか味わえないモノって、いいな」
新大阪駅の「けつねうろん」は、汐留で食べるうどんとももちろん違い、きちんと浪速の「けつねうろん」の味がした。鰹や昆布の旨味が詰まった何とも言えない、いい匂いがした。

食べログを見ていたら「出汁を味わうには、七味をかけすぎない」と
ありました。これでも少な目にかけて、じゅうぶん味わったつもりです。

拍手

03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
ご意見などのメールはこちらに midukisae☆gmail.com
(☆を@に変えてください)
Template by repe