はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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蒟蒻の表面積

中学くらいの年頃に、数学とか理科とか、社会に出て役立つのか疑問に感じると口にする友人が多くいた。苦手だと、余計に「やりたくなーい。意味ないし、こんな勉強しても」などと愚痴もこぼしたくなる。

だが、高校に入り料理にハマったわたしは、すとんと腑に落ちる。
「料理って、数学的、理科的要素が、ものすごく大きい」と。
そう感じさせてくれたのは、蒟蒻だった。
料理人、土井勝氏に傾倒していた高校生のわたしは、日本料理の基礎を、すべて彼の料理本から得た。そこにかかれていた蒟蒻の下ごしらえの仕方を読み、感心したのだ。

そこには蒟蒻を煮物にする場合、切らずにちぎると美味しいとかかれていた。さらにちぎる前に竹串のような細いもので全体に穴を開けるのだと。その理由が、表面積を増やすためだという。包丁できれいに切るより、ちぎることで凹凸がたくさん出来て、味がしみやすくなる。穴を開けることも然りである。
もう、表面積という言葉のみで、ああここに数学がある。理科もあると、高校生のわたしは、いたく感動したものだった。

久しぶりに、蒟蒻を煮た。
もちろんちぎって煮たが、料理の基礎もすでに自分流になっている。アムウェイの鍋を使い始めてからは、落し蓋も使わなくなった。食材も食べやすいものが多くなり、大根を米のとぎ汁で茹でることもしなくなった。蒟蒻をちぎり、これまで過ごしてきたキッチンでの歴史を、ふと振り返った。

これからの季節は、ちぎる蒟蒻の冷たさが指先を凍らせますね。

乱切りにするのって、何故か楽しい。

こっくり煮込んだ、煮物はいいなぁ。蒟蒻も味がよくしみていました。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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