はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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穏やかな気持ちをつくるもの

気持ちが穏やかになる瞬間、というのがある。
例えば、通りすがりに無邪気な子どもの笑顔が、目に飛び込んで来た時。
また例えば、ふと夕闇の空を見上げると、消え入りそうなペーパームーンが、静かに浮かんでいた時。
また例えば、久しぶりに友人から、手紙が届いた時。などなど。

しかし、その時わたしは、不意に気持ちが穏やかになった原因が、判らなかった。夕刻、キッチンで忙しく立ち働いていて、ちょっと疲れたなぁとさえ思っていたのだ。だが、何となくそんな気持ちがほぐれ自然と笑顔になっている自分を、不思議に思っていた。そして料理の下ごしらえを終え、朝飲んだ珈琲カップを片づけようと布巾の上に伏せたカップに手をかけた瞬間、気づいた。
「これかぁ。この、水色。この不器用なチューリップ。ふふふ」
思わず、笑った。さっきから、バタバタしているなか、何度も目に入っていたのが、珈琲を飲む時に気に入って使っているカップの底に刻まれた絵だったのだ。その絵が、わたしの疲れた気持ちを、ほぐしてくれていたのだった。

普段見えないカップの底のチューリップを、しげしげと見つめ「ありがとう」と礼を言った。じつのところ、この世に、意味のないものなどないのかも知れないと、胸に広がる落ち着いた水色を、しばし感じていた。

優しい水色と、落書きのようなチューリップです。

ウッドデッキで飲む珈琲が、更に美味しくなったような気がしました。

足元では、けろじが、珈琲の香りをかいでいました。
けろじを見て、また、心穏やかになるわたしです。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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