はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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おむすびと空っぽのお皿

夫からの要請があり、おむすびを握った。サッカーの試合だという。
握っていて、ずいぶん懐かしい感覚だなぁと驚いた。上の娘はお弁当が必要な時には自分で作って行くし、末娘も高校卒業まで自分で毎朝おむすびを握っていた。新米が届いた夜、自分のために握って以来かも知れない。大量に握ったのは、夏に大人数でのバーベキューで最後に焼きむすびをした時か。
おむすびって、つくづく不思議な食べ物だ。ただ握っただけなのに、茶碗によそったご飯とはまるで違う。ハンドパワーが作り出すものなのか、その塊には力の素が入っているように思える。

我が家の子ども達は、3人共に食が細かった。今思えば何のことはない。単に食が細いタイプだったのだ。それでも新米の母親は小さなことに胸を痛め、くよくよと思い悩むものだ。どうして他の子よりも食べないんだろう。何がいけないんだろう。手を変え品を変え料理に手間を掛けようとも、思うように食べてくれない彼らに、疲れてしまうことも多かった。
そんな時にはおむすびを握った。塩で握っただけの、子どもの手にすっぽり収まる小さなおむすびだ。それをただテーブルの上に置いておいた。すると、誰かが一つ食べ、また誰かが一つ食べ、終いには十ほどもあったおむすびがなくなっている。空っぽのお皿は、わたしを心底ホッとさせた。
今では3人ともスリムではあるが、極普通に育っている。好き嫌いも成長と共にあまりなくなった。何も思い悩むことなどなかったのだ。

おむすびに助けられたそんな記憶をたどりつつ、夫のために、力ではなくハンドパワーと気持ちを込め、おむすびを握った。

息子と末娘は鮭派でしたが、夫と上の娘は何でもあり派。
梅干しと、しじみ生姜昆布を入れて。

田植えが始まり、空が映った夕暮れの田んぼ。
おむすびパワーの素は、ここから生まれるんだよなぁ。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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