はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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内容が無いよう、でも読みたいよう

「嘘偽りなく」という言葉がかっこいいレイモンド・カーヴァ―『必要になったら電話をかけて』(中央公論新社)だが、娘はこう薦めてきた。
「内容が無いところが、いいんだよね。だらだら読める感じ?」
わたしは、いつもの通り言葉遊びを始めた。
「内容が無いよう、でも読みたいようって感じ?」
娘も応じる。「そうそう。内容が無いよう。でも読みたいよう」
さらにわたしがあおる。「たーいたーいのたいこさん」
そして、ふたりハモる。「レイモンド・カーヴァー、読みたーい!」
三つ子の魂百まで。(彼女はまだ17歳だが)長野ヒデ子の『せとうちたいこさん デパートいきタイ』(童心社)は、昔一緒に読んだ絵本だ。
「たーいたーいのたいこさん、デパートいきたーい!」というたいこさんのリズムやセリフがわたし達の中に残っていて、こうやって言葉遊びの中にいまだに使われている。
それはそれとして、カーヴァーを読み終えたわたしの感想は「内容が濃いよう」だった。アルコール中毒や長く連れ添った夫婦の別れなど、ディープな要素が中心に置かれている。娘に伝えると、ふーんと考えて言った。
「殺人もないし急展開もないからそう思うのかな?」
彼女はカーヴァ―を読むには若すぎるのかな、というのがわたしの感想だ。まあいい。彼女はもう少し大人になってからふたたびカーヴァ―を読む機会があるだろう。
 
ところで、今日日中は山梨も暑かった。わたし達の言葉遊びも、暑さにやられたのかうまく機能しなかった。というか崩壊していた。
「かけるもの持ってないの?」
運転中、足が日に焼けるという助手席の彼女にわたし。
「かける? Can write?」
「ライト?」懐中電灯を思うかべるわたし。
「かくだよ、かく。ペンとかで」ペンライトを思い浮かべるわたし。
「かくものなら持ってるよ」と彼女。そこでようやくわかる。
「ひざにかけるカーディガンとか持ってないの? って聞いたんだよ」
「あー。もう、日本語も英語も通じてない」

涼しくなってからのびっきーの散歩中、ご近所の畑でいただいた野菜達

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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