はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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『謎解きはディナーのあとで』

東川篤哉『謎解きはディナーのあとで』(小学館文庫)を読んだ。
そして、映画も見た。これでやっと、世間に追いつけた気がする。それほどに、売れていた訳で、映画はドラマ版の続きであり、無論1回読み切りタイプになっていたが、1冊読んだだけでは追いつかない設定などもあった。
まあ、映画を観たのはおまけ、というか、椎名桔平が出ていたのが理由で、かっこいい役なら尚更よかったが、三枚目役も個性たっぷりこなすいい役者であるなぁと、再認識し、ただただ楽しんだ。

主人公は、大財閥の令嬢という身分を隠した新米刑事、宝生麗子。その上司、風祭は、中堅自動車メーカーの御曹司だということを、ことあるごとに鼻に掛け、推理はあさっての方向に飛ぶ、出来ないやつ。事件迷宮入りも茶飯事かと思われるコンビだが、それでは小説にならない。救世主は、麗子の執事兼運転手、影山。彼は、麗子の話を聞くだけで、ディナーをサーブしながら、事件の謎を解いてしまうのだ。世に言う「安楽椅子探偵」事件現場に足を運ばず、聞いただけで謎を解いてしまう探偵役をそう呼ぶ。

6話の連作短編になっていて、気軽に読める。殺人事件は登場するが、紅茶を飲みながらゆったりくつろいで読めるといわれる、殺人のないコージーミステリーに近いモノを感じた。それは、惜しみなく繰り広げられる上質なギャグの応酬のせいに他ならない。くすくす笑いながら読みつつも、謎解きは、ハッとさせられるものばかりだ。

聞くことだけで判ることは、そう多いとは思えない。諺にも『百聞は一見にしかず』とある。しかし、安楽椅子探偵にはなれずとも、周囲の話にもっと耳を傾けてみたら、今まで判らなかったことも見えてくるかも知れない。そして、安楽椅子探偵には、話し上手な情報提供者が必要だ。相手が判るように話すこともまた、大切なことなのだ。
まあ、わたしが安楽椅子探偵になることはないとは思うが。

今つかえつつ読んでいるのは、川上未映子の『ヘヴン』
読もうと思って、ベッドに置いたままの『イニシエーション・ラブ』
3冊とも表紙に、それぞれの個性が出ていますね。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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