はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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桜の花に惑わされて

逆上がりをした。
いや。正確には、逆上がりをしようと試みたが、出来なかった。
「何で、こんなに身体が重いの?」夫に言うも、呆れ顔をされただけ。
しかし、彼も試みたが、やはり出来なかった。
「俺だけが出来ると、きみに悪いからね」
彼は、言い逃れし、ふたたび鉄棒にしがみつこうとはしなかった。
「じゃ、空中前回りなら、出来るはずだ」
わたしは言い、前回りをした。
いや。正確には、前回りをしようと試みたが、出来なかった。
子どもの頃『空中前回り』と呼んでいたのは、連続してくるくると前回りをする技である。小学生のわたしは、それが得意で、友人に数えてもらっては何回まわれるか挑戦していた。30回以上はまわれたと思う。通っていた幼稚園が、鉄棒に力を入れていたのだ。
小学1年生に上がってすぐ、高鉄棒の一番高いところによじ登り、くるくるやっていたら担任の先生が飛んできた。心臓に悪いからやめてくれと。

ショックである。
逆上がりは出来なくとも、空中前回りは出来る自信があったのに。
「地球の重力が、変化してるんじゃないの?」
自分の運動不足を棚に上げ、地球を疑ってみる。
「残念ながら、変化しているのは、あなたの方ですよ」
満開になった桜が、桜の木にとまったツグミが、真実を見つめるようにとたしなめた。普段忘れている重力の存在を、大きく大きく感じた。

それにしても、児童公園の遊具って、こんなに小さかったっけ?
不意に大きさの感覚が、微妙に歪んでいく。ここの桜の木って、こんなに大きかったっけ? わたしの手って、こんなに小さかったっけ? そして、桜を撮る夫のカメラだけが、巨大化し始める。いや、夫が小さくなっているのか? 世界が微妙に、バランスを崩していく。
いけない、いけない。桜の花の魔法に、惑わされてはいけない。もう一度、空中前回りを試みた。くるりと回って、着地すべき場所に、すとんと着地した。

夫と中央線は無人駅『穴山』周辺に、花見に行きました。

こんなところに、児童公園があったなんて、知らなかった。

桜の巨木が、並んでいて圧倒されました。人も多かったです。
無人駅なのに、駅員さんが出現。にわか有人駅に(笑)

ツグミも、人馴れしている様子。写真を撮らせてくれました。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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