はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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心配性の彼

南アルプスの彼に、右腕をほぐしてもらいに行った。びっきーに引っ張られ、半年前に痛めてから、風呂上りの湿布と、贔屓にしているマッサージ師くんの彼頼りである。彼とは、長い付き合いなので様々なことを話す。おたがい体重が何キロ増えて戻らないとか、結婚式のスピーチを頼まれたとか、猫を拾ったとか、娘の友人のオーストラリア男子がステイしたなどなど。我が家の太陽光発電の話を聞き、最近彼の家も太陽光を入れた。

その彼の話題の中心は、何と言っても昨年末に誕生した息子くんだ。彼はとても心配性で、わたしとしては心配し過ぎだろうと思うのだが、新米パパなのでまあ当たり前なのかもしれない。
「最初ゲップをさせる時に、背中を押してアザができないかって心配だったんですよ」と、万事その様子。「ハイハイの時期が長いと背筋が強くなる」とか「少しは泣かせた方が肺活量が高くなる」とか。微笑ましい。
それでちょっと昔話をした。
「息子が6歳まで読み書きができなかったんだよね。早い子は3歳でできるのに。でもね、ちっとも心配じゃなかった。考え方によっては字が読めない時期なんて人生のほんの少しの間で、逆にそれを大切にしたいなって思ったの」

絵本の原っぱを見て「春の原っぱです」とかいてあれば、字を読めると「春」「原っぱ」と単純に思う。だが字が読めなければ、絵を見て感じるだけだ。
ある子は「森の近くかな、向こうには川の音が聞こえる」と、耳を澄ませるかも知れない。また、ある子は「虫がかくれているかもしれないぞ」と、目をこらすかも知れない。また、ある子は「遠い宇宙の何処かの星で、初めて草が背伸びした感じだ」なんて空を見上げるかもしれない。
字を読めないことで、絵だけを見られる。そんな時間を人より少し長く持った息子は想像力が豊かだ。だから優れているとか、だから劣っているとかそういうことではなく。

人はそれぞれ違う。そんなことは、誰しもわかっている。でも親になると不意に忘れてしまう時があり、その違いが苦しくなることもある。
「だいじょうぶだよ。そんなに心配しなくても。それだけ愛されていれば、きっといい子に育つから」心配性の彼にわたしのメッセージは届いただろうか。

何の実でしょう? 想像してみてください。
散歩道でも、よく見かけます。これから、少しずつ大きくなっていきます。
高いところにあって、きれいに写真が撮れません。

アップにしてみました。
肉厚の緑の皮の中に隠されているのは…… 『オニグルミ』 胡桃です。
もしも字が読めなかったら、何だろうかと考えることでしょう。


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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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