はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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茄子を探して

「茄子、買い忘れた!」
隣りの市のスーパー。レジで会計を済ませてから、気がついた。何ということであろう。夫のリクエストは、茄子と挽肉のカレーだというのに。
しかし、振り返るとレジの向こうには長蛇の列。茄子一つで、ふたたびここに並ぶというのは、考えられない。シルバーウィークの弊害だ。
「帰りに、コンビニに寄ろう」
帰路にあるいくつかのコンビニには、野菜も置いてある。ただ、茄子があるかどうかは確実ではない。やはり1件目のコンビニには、茄子はなかった。
「そういえば、この先に『よってけし』があったはず」
産直野菜を置いてある販売所だ。町内の野菜直販所は夕方早く閉まるので、もう閉まっているかと恐る恐る車を停めると、まだ開いていた。『よってけし』というのは甲州弁で「よっていきなよ」という意味だ。
だが、探せど探せど茄子がない。秋もまだ早いのに茄子がないってどういうこと? 売り切れなの? と絶望的な気持ちになっていると、一つの袋に目が留まった。はっきりと黄緑色だし形も違う。ずいぶんと細長い。だが、それは茄子だった。袋には「マーボナス」とかいてある。
「麻婆茄子? カレーに入れるんだけどな」
そう思いつつも、誰も並んでいない『よってけし』のレジで、ぶじ茄子を買うことができ、心のなかでガッツポーズをしたのだった。

偶然買った「マーボナス」は「麻婆茄子」ではなく「マー坊」という種類の茄子だった。もちろん麻婆にも合うが、油との相性が良く、炒めて美味しい茄子だそうだ。我が家の茄子カレーは、茄子をオリーブオイルで焼いてから仕上げ時に入れるタイプ。これからも「マー坊」にしようと思ってしまうほどにぴたりとハマり美味かった。茄子を探して走り回った甲斐もあったというものだ。

ところで翌朝、夢を見た。カレー鍋のフタをとると、茄子だけがなくなっているという夢だ。おのれ、夫め! 茄子ばかり食べたな! と夢のなかで疑ったわたしの意地汚さよ。リクエストしたのは夫だったが、いちばん茄子に執着していたのは、どうやら自分の方だったようだ。

『よってけし』で購入した「マー坊」です。

『よってけし』のおかげで、茄子たっぷりカレーになりました。
グリーンカレーやキーマカレーも美味しいけれど、
ルーでつくる家庭のカレーも大好き。ジャワカレー辛口とこくまろ辛口を
ブレンドして、チリペッパーやガラムマサラなどを入れています。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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