はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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ハングリーロードムービー

「ここにする?」「いや、もうちょっと先まで行ってみよう」
何度こんな会話を繰り返したことか。
川崎にいた頃は、母に娘をみてもらって、週一くらいで夫と車で会社に出勤した。その帰り道のいつもの会話だ。遅くまで仕事をし、帰りに何か食べようと車に乗る。しかし、なかなか思うような店に辿り着けない。車だし、ゆったり酒を飲もうという訳でもなく、ただ普通の食事がしたかっただけだ。
「ラーメンは昨日食べたからなぁ」「トンカツは重い」
など選り好みする。その間にも窓の外の景色は、後ろへ後ろへと、秒より素早いスピードで去って行く。時間と共に2度と戻らぬものとなる。
「ファミレスは、勘弁だな」「この店、如何にもまずそう」
など、性懲りもなく選り好みする。そのうちに、ふたりとも口数が少なくなる。空腹が頂点に近づいていく。
「ハマったな」と、夫。「いつものパターンだ」と、わたし。
そして、走り出した時には絶対に入らなかったような店で、伸びたラーメンなどをすすり、ふたりさらに無言になるのだ。

山梨に越してきてからも、このパターンに陥ることが、ままある。先週も美味しいと聞いた店にナビに誘導してもらって行ったが、タッチの差でランチタイムは終わっていた。そして、学習せずにハングリーロードを選り好みしつつ飛ばし、結局スーパーで夕飯の買い物と一緒に稲荷寿司を買い、ふたりぼそぼそと口数も少なく車で食べた。
しかし今週のわたし達は、一味違った。甲府に所用で出かけ、用事が済むともう3時。夫は頭の中を素早く検索し「来来亭(らいらいてい)に行こう」と、力強く言った。一番近くて美味いラーメン屋だ。
「おー、営業中!」「やった! ランチタイムなし」
ラーメン屋に、ランチタイムは在ってはいけないと思う。個人的意見として。
わたし達のハングリーロードムービーも、そろそろクライマックスなのかな?いやいや。まだまだ2度3度、どんでん返しがありそうだ。

来来亭のラーメンは、麺の硬さ、醤油の濃さ、背脂抜き・多め、唐辛子抜き、
葱抜き・多め、チャーシュー脂身・赤身など、細かく指定できます。
「あー、あー、あー、葱トッピングしようかな?」迷う優柔不断なわたし。
「葱多めにしただろ!」夫に一喝され思い留まりましたが、充分多めでした。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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