はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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笑顔の連鎖

スペインのなかでも、わりとマイナーなガリシア。日本のガイドブックには、ほとんど載ってさえいない。分厚い『地球の歩き方』でさえ、3つの街を10ページほどで紹介しているだけだ。
そのガリシアに行こうと思ったきっかけは、神楽坂にあるスペイン・バル『el camino』で食べたガリシア料理だった。
「ガリシアは、いいですよ。海の幸もワインも美味しい」
スタッフの男性は、夫婦で行く度に、ガリシアの良さを語る。洗脳された訳ではないが、今度スペインに行くのなら、ガリシアに行きたいと、自然と思うようになっていた。という訳で、石畳の街と、地の果てフィステーラを旅した真の目的は、やはり食である。

サンティアゴ・デ・コンポステーラでの最後の夜は、スタンディングバルではなく、落ち着いて食事した。この日のために、ガリシア料理では一番有名な蛸を茹でたもの「プルポ・ア・ラ・ガジェガ」も食べずにいたほど、此処での食事を楽しみにしていた。ワインもこの地方の白「リアス・バイジャス」ほど近い土地で作られた赤「リオハ」がある。
食事をしたのは、飛び込みで入ったバルと併設されたカジュアルなレストランだったが、サービスは一流だった。何しろサーバントの女性の笑顔がいい。ゆっくり話を聞き、判りやすい英語でユーモアを交え、対応してくれた。
「彼女は、優秀だ」
夫は感心していたが、彼女だけではないことが、すぐに判った。
料理の盛り付けも、もちろん味も申し分なく、ワインを選ぶときに説明してくれた男性も、笑顔が素敵だった。店じゅうが明るく、活気がある。
そういう場所にいると、気持ちは明るい方へと向いていく。笑顔の連鎖が、そこにはあった。
「いい店だね」「うん。すごく気持ちのいい店だ」
伝染した笑顔で、ガリシア最後の夜を楽しみつつ、ふたりリアス・バイジャスを、ゆっくりと飲み干した。

店の入口は、バルになっています。スタンディングで飲む人もいました。

「プルポ・ア・ラ・ガジェガ」茹でたじゃが芋と蛸のシンプルな料理。

おススメだという「ガンバス・ア・ラ・ブランチャ」海辺ならではの味。

マッシュルームのアヒージョ。オリーブオイルが煮立っていました。
 
可愛いボトルのリアス・バイジャス。日本でも売ってるかな?

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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