はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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軍鶏鍋タイムスリップ

東京では、夫と思い出の店に行った。恵比寿にある『軍鶏丸(しゃもまる)』25年ほど前、夫が恵比寿にある会社に勤めていた頃に行った、軍鶏鍋や焼き鳥が美味しい鶏の店だ。
「このあいだ偶然『軍鶏丸』の前を通ったら、変わらなくってさ」
「『軍鶏丸』! なつかしいねえ」
それで、二人で上京する機会があれば、行ってみようという話になったのだ。

「なつかしいなあ。全く、変わらないですねえ」
夫は、店に着くなり連発する。店の女将に昔の話をしたら、ちょうど開店して間もない頃だったのだと判った。そのあと夫も、今の会社を立ち上げて22年。店の歴史と自分達の歴史が重なったような気がして、不思議な気持ちになる。女将もとても喜んで、あの頃は、という話に花を咲かせた。

焼き物と軍鶏鍋のコースを堪能しつつ呑みながら、自然と昔の話になる。
「あの頃は、子ども達が小さかったのもあって、きみの仕事をきちんと理解しようとしていなかったなあって、今思うと判るんだよねえ」と、わたし。
「そう? 協力的だったと思うけど?」と、夫。
「仕事人間で家庭をかえりみない夫と、それが不満でしょうがない妻っていうステレオタイプな図式には当てはまらなかったけどさ」
若かったというのは言い訳かも知れないが、たがいに自分のことで精一杯で、相手を理解しようっていう気持ちが欠けていたんじゃないかと、振り返れば思うのだ。末娘が1歳のときからわたしも経理事務を担当してきたが、3人の子ども達との雑多な時間の方が多くを占めていた。ケンカも日常茶飯事だった。

そんななかで時間をやりくりし『軍鶏丸』でゆっくり食事をしたことは、とてもよく覚えている。そういう小さな時間の積み重ねがあったから、きっとこれまでやってこられたのだろう。熱々のつくねを味わいながら、二人いつのまにか、遠い時間にタイムスリップしていた。

焼き物と鍋のコースの最初は、塩レバー。マスタードと山葵が美しい。

手羽先は、粗挽き胡椒が効いていて、パリッと焼けていました。

ビールの泡もこだわり強く。恵比寿だけに、えびすの琥珀です。

鍋に突入。砂肝、胸肉、ささみ、レバーを、炭火でしゃぶしゃぶ。
鉄鍋のなかは鶏がらスープです。タレには大根おろしに山椒をかけて。

つくねは、目の前で作って入れてくれます。
見事な手さばきでした。さすがに、年季が入っています。

肉が美味しすぎて、写真にも残ってませんでした(笑)

〆はうどんで。灰汁が浮いているように見えますが、つくねの卵だそうです。
鶏がらスープに粗塩と粗挽き胡椒を足して、もう何とも言えない美味しさ。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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