はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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蕎麦屋の待ち時間

週末、食材の買い出しがてら、夫と蕎麦屋に行った。
ここ北杜市には蕎麦屋が多く、まだ行ったことのない店もたくさんあるが、そこはずいぶん前にやはり買い物がてら食べに寄った店で、スーパーに行く途中、通り道にある。『やつこま』という蕎麦屋だ。

日曜で天気も良く、店は混んでいた。急ぐ必要は何もないので夫とふたりゆっくりと待つ。通された窓際の席からは、まだ咲いていない向日葵畑と「標高700m」の看板が見え、風が通って気持ちがよかった。店が二階なので見下ろす感じだ。
運転は任せて、と夫にビールをすすめ、蕎麦の到着を待つ。その間、ほとんど何もしゃべらなかった。ビールのグラスが木製で、その木の器がよく冷えていたことに感心し、ひと言ふた言話したくらいだ。テーブルは5つほど。みながのんびりとした心持ちでいるように見えた。

何事もない時間だった。単なる待ち時間なのだが、急く気持ちもなく、日々の細かな悩み事も忘れ、まるで時間が止まっているかのように感じた。透明な時間だ、と思った。いつでも手に入るような、それでいていつもはするりと逃げてしまい捕まえられない、そんな時間がここにある、と感じた。

蕎麦は美味かった。
「こんなに美味い蕎麦は、ここ最近食べてない」
夫も絶賛だった。音をたてて蕎麦をすすり、止まっていた時間が流れ出した。

平打ちの麺は、強いコシがありました。きのこと野菜の天麩羅と。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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