はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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運命の土鍋

新しい土鍋を、買った。何年も使った土鍋が、焦げやすくなってしまったのだ。寿命だと思い、夫とふたりで選ぶことにした。
「わ、これ」
ぴったりくる食器に出会うことは、なかなかない。そして、わたしと夫の好みも微妙に違う。ところが売り場で見たその土鍋に、目は釘づけとなった。一瞬にして魅了されたのだ。先に見つけたのはわたしだが、夫の好みでもあることは一目瞭然だった。案の定、夫も一目で気に入った。土鍋はまるで、そこで静かに微笑みつつ、我が家の食卓へと連れられる日を、うきうきと待っていたかのようだった。時間をかけて好みの食器を発掘するのも楽しいが、こういうまたとない出会いには、わくわくさせられる。
「サプラーイズ!」
と叫びながら、運命の人が現れたような気持ち、と言っても大袈裟ではない。もしかしたら、小さな器一つにも運命というものがあるのかも知れないと、まあこれはずいぶんと大きな土鍋なのだが、土鍋の生い立ちや、店に並んでからの他の食器との確執などをつらつらと考えた。

記念すべき初めての料理は、韓国風白菜鍋。干しシイタケの戻し汁と薄めの鶏ガラスープに、豚バラ肉と鶏もも肉、胡麻油も少々加え、白菜をこっくり煮込む。食卓で塩と七味を入れた器によそって食べれば、心も身体もほっかほかだ。夫はいつも、コチュジャンを入れて2種類の味を楽しんでいる。

たっぷりいただいて、空っぽになった鍋をていねいに洗い、よく拭いて乾かしてから、箱にしまった。
「我が家の白菜鍋は、美味しかったかな?」
新しい土鍋は、これから様々な我が家の鍋を味わい、食卓に馴染んでいくことだろう。新しい土鍋さん、こんにちは。これから、よろしくね。

図らずして置いてあったコップの大きさと比べると、土鍋、大きい!

韓国風白菜鍋。卓上コンロは出さず、キッチンで煮て食卓に出します。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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