はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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白く凍った冬

凍った畑から、白菜をいただいてきた。
「留守にする間、白菜が無くなったら、畑から持って行って」
年末、近所の農家さんに、嬉しい言葉をいただいていた。
仕事始めの前日、ふたたび生姜鍋で温まろうという話になり、
「白菜泥棒っぽいよね」とか言いながら、夫と畑に入った。
畑には、きちんと同じ間隔を空けて白菜が並んでいた。塔のようだ。冬の小人達が住む白い塔。たぶん、未明に小人達は挨拶を交わす。
「今朝も、気持ちよく凍っていますね」
「空には月も、白く凍って浮かんでますね。いい季節だ」
「いつまでも、この白い季節がつづいてくれるといいのにね」
「全くですね」
 
根に包丁を入れ、取った白菜をむくと、白い美味しそうな部分が顔を出した。むいた外側の葉っぱは畑に置いて行っていいとのことだったので、その場でむいて白菜を2つ袋に入れた。水分をたっぷり含んだ白菜は、外側のしおれた葉でさえ、根に近い部分はシャーベットのように凍っている。
中は凍らないのかと不思議だったが、キッチンで包丁を入れると、頭がちょっと凍っていたくらいでほとんどが無事だった。白菜たっぷりの生姜鍋で足の先まで温まり、小人達に礼を言った。
「ありがとう。凍った冬が鍋に溶け出して、いい味出してたよ」
いただいた白菜に住んでいた小人は、新しい住処を見つけただろうか。

夫の提案で生姜鍋に柚子の皮を刻んで入れてみたら、これがベストマッチ!
鶏がらスープのみの薄味なのでいろいろ試せて、アレンジが効きそうです。


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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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