はりねずみが眠るとき
昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
ウエッジウッドへの憧れ
娘の芝居を観に行く途中、早く着き過ぎたので新宿で珈琲を飲んだ。
飛び込みで入ったのだが、豆を厳選したきちんとドリップしてくれる店で、思いがけず美味しい珈琲を味わうことができた。
大江戸線の改札近く、京王モールにある『亜麻亜亭』だ。
夫は、コロンビア。わたしは、モカハラーをオーダーした。そこで、もう一つ思いがけないことがあった。その珈琲カップが、ウエッジウッドのワイルドストロベリーだったのだ。十代の頃、憧れたカップ。食器好きなら、同じように憧れた人も多いのではないだろうか。憧れはしても、高価なカップを購入するには至らなかった、というところまで同じだという人も。
そのワイルドストロベリーで酸味の効いた珈琲を飲みながら、考えた。
いったいあの憧れは、何処に行ってしまったのだろうと。まるで不思議の国のうさぎ穴にでも落としてきたように、ウエッジウッドへの憧れは、いつの間にか消えてしまった。嫌いになったというのではない。確かに今は、土をこねたような人の手を感じる温かみのある器を好んで使うが、好みが変わる以前の空白があったように思う。
考えるにそれは、仕事でいっぱいいっぱいだったり、子育てで余裕がなかったり、そんな時間が作った空白だったのかも知れない。憧れとか、夢とか、そういうものを思い出すこともなく、精一杯の一日一日を過ごしてきた頃。
そこに落としてきたものは、きっと他にもたくさんあるのだろう。そして、今気に入って使っている作り手が見える珈琲カップの温かみのように、たぶん拾ったものもまた多々あるのだろう。
今読んでいる小川洋子の短編集『いつも彼らはどこかに』と一緒に。
憧れていたのは、正しくは紅茶茶碗の方でした。
どうしても欲しかったなら、買えるであろう値段。
あの頃は、一生手に入らない高価なものだと思っていました。
飛び込みで入ったのだが、豆を厳選したきちんとドリップしてくれる店で、思いがけず美味しい珈琲を味わうことができた。
大江戸線の改札近く、京王モールにある『亜麻亜亭』だ。
夫は、コロンビア。わたしは、モカハラーをオーダーした。そこで、もう一つ思いがけないことがあった。その珈琲カップが、ウエッジウッドのワイルドストロベリーだったのだ。十代の頃、憧れたカップ。食器好きなら、同じように憧れた人も多いのではないだろうか。憧れはしても、高価なカップを購入するには至らなかった、というところまで同じだという人も。
そのワイルドストロベリーで酸味の効いた珈琲を飲みながら、考えた。
いったいあの憧れは、何処に行ってしまったのだろうと。まるで不思議の国のうさぎ穴にでも落としてきたように、ウエッジウッドへの憧れは、いつの間にか消えてしまった。嫌いになったというのではない。確かに今は、土をこねたような人の手を感じる温かみのある器を好んで使うが、好みが変わる以前の空白があったように思う。
考えるにそれは、仕事でいっぱいいっぱいだったり、子育てで余裕がなかったり、そんな時間が作った空白だったのかも知れない。憧れとか、夢とか、そういうものを思い出すこともなく、精一杯の一日一日を過ごしてきた頃。
そこに落としてきたものは、きっと他にもたくさんあるのだろう。そして、今気に入って使っている作り手が見える珈琲カップの温かみのように、たぶん拾ったものもまた多々あるのだろう。
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どうしても欲しかったなら、買えるであろう値段。
あの頃は、一生手に入らない高価なものだと思っていました。
HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
ご意見などのメールはこちらに midukisae☆gmail.com
(☆を@に変えてください)
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