はりねずみが眠るとき
昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
『おやすまなさい』
21歳、芝居に夢中の末娘演じるふたり芝居を観に、東京に行った。
劇団ゆるふ酒演出の『おやすまなさい』(脚本 / 前田司郎)だ。
小さなイベントスペースで、観客は十人ほど。
舞台は、ふたり暮らしの女の子の部屋で、たぶん真夜中。片方は眠くてしょうがないのだけれど、もう片方は眠れなくて、何とかおしゃべりにつきあわせようとする。そして眠い方も眠い方で、何とかもうひとりを眠らせようと、羊を数えさせたり四苦八苦。
おもしろかったのは、リアルに無意味なガールズトークを繰り広げているんだけど、そのなかに夢の世界がそこ此処に見え隠れしているところ。例えばここが海だとしてと、仮定の話しをしながらも、風呂場で見つかったサザエが本当にそこにあったり、何種類もの貝が部屋じゅうで見つかったり。現実と空想の境い目が霧に包まれているかのように曖昧で、それが魅力になっている。
魅かれたセリフは、眠れない方が言った。
「人にはどうして、淋しいなんていう機能がついてるのかなあ」
眠い方は「群れることで、身を守るためじゃない?」
などと適当に答える訳なんだけど「淋しい」って、人間特有の「機能」だったんだ。なるほどねえ、と納得したりした。
「淋しいからさあ、先に寝ないでよ」
もちろん、彼女はそんなふうにはひと言も言わず、ただただもうひとりの気をひくために懸命になっている。その姿が何とも微笑ましかった。
何かに懸命になっている人の姿。それって何とも滑稽なものなのだなと、腹の底からこみ上げる笑いを心地よく迎え入れた。
新江古田からプラプラ歩いていくと、濃いピンクの桜が咲いていました。
東京は、昨日開花を迎えたそうですね。
劇団ゆるふ酒演出の『おやすまなさい』(脚本 / 前田司郎)だ。
小さなイベントスペースで、観客は十人ほど。
舞台は、ふたり暮らしの女の子の部屋で、たぶん真夜中。片方は眠くてしょうがないのだけれど、もう片方は眠れなくて、何とかおしゃべりにつきあわせようとする。そして眠い方も眠い方で、何とかもうひとりを眠らせようと、羊を数えさせたり四苦八苦。
おもしろかったのは、リアルに無意味なガールズトークを繰り広げているんだけど、そのなかに夢の世界がそこ此処に見え隠れしているところ。例えばここが海だとしてと、仮定の話しをしながらも、風呂場で見つかったサザエが本当にそこにあったり、何種類もの貝が部屋じゅうで見つかったり。現実と空想の境い目が霧に包まれているかのように曖昧で、それが魅力になっている。
魅かれたセリフは、眠れない方が言った。
「人にはどうして、淋しいなんていう機能がついてるのかなあ」
眠い方は「群れることで、身を守るためじゃない?」
などと適当に答える訳なんだけど「淋しい」って、人間特有の「機能」だったんだ。なるほどねえ、と納得したりした。
「淋しいからさあ、先に寝ないでよ」
もちろん、彼女はそんなふうにはひと言も言わず、ただただもうひとりの気をひくために懸命になっている。その姿が何とも微笑ましかった。
何かに懸命になっている人の姿。それって何とも滑稽なものなのだなと、腹の底からこみ上げる笑いを心地よく迎え入れた。
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東京は、昨日開花を迎えたそうですね。
HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
ご意見などのメールはこちらに midukisae☆gmail.com
(☆を@に変えてください)
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