はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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保険を、かけ捨てにしないように

どうしても、保険をかけてしまう。
「あれが足りなかったら、困るかも」「もし、あれも必要になったら」
家族との食事を精一杯楽しもうと、そんな風に買い物をするから、野菜庫や冷凍庫が満杯になり、すみっこで傷んでいる可哀想な生姜や、しなびた人参が発掘されることとなる。

この春から、上の娘が東京はわたしの実家に拠点を移し、バイトをしている。月曜火曜は、夫も東京に行くので、昼も夜も、ひとりご飯だ。
うどんで、いいか。と、サボることもしばしば。
しかし、もしかするとこれは、冷蔵庫の整理には、丁度いいのではないかと気づいた。
国産のアスパラが出ていたので、固めに茹でて、サラダにしようと思っていたのだが、週末ヴァンフォーレ甲府が初勝利。「すき焼きにしよう!」ということになり、「まあ、1勝だから豚肉だね」「優勝したら、牛ですき焼きかな」と、ふたり、ぶたすきを、お腹いっぱい食べた。そこには、アスパラを茹でる隙間はなかった。
紫キャベツと林檎と鶏のコールスローサラダも、新しいレシピを見て作ろうと、材料を買ってあった。だが、それも、週末の献立から外された。

自分だけのために、手間を惜しまず料理するほど、マメではない。綺麗でちょっと贅沢な、野菜達。ザクザク切って下ゆでも何もせず、炒めてみた。オリーブオイルに、にんにくも大きめのざく切りで、わいわい炒めた。味付けは塩胡椒。皿に盛ってから、お好みでバルサミコ酢をかけて、出来上がり。何と簡単。しかし、何とも贅沢。
「贅沢は、敵だ」との戦時中の言葉をもじって「贅沢は、素敵だ」と言ったのは誰だったっけ。
これからは、保険をかけた野菜達を、かけ捨てにしないよう、若者言葉では『ぼっち飯』と言われるひとりご飯だけど、精一杯楽しもう。気合いを入れ、フライパンでにぎやかに騒ぐ野菜達の声に、耳をすませた。

野菜って、ほんと、綺麗ですよねぇ。

シンプルな味付けで楽しむのに、春野菜は適してると思います。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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