はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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ノーベル賞の余波

最近、家は、韮崎と近いのかと聞かれることが増えた。韮崎市出身の大村智さんがノーベル賞を受賞した、その小さな小さな余波である。
「韮崎駅までは、車で20分くらいかな」
話の流れで、最寄り駅なのかとまた、聞かれる。
「最寄りは、無人駅の穴山。そこまでは、車で13、4分かな? 歩くと、うーん、1時間ちょっと? いや、1時間半くらい?」
歩いたことがないので、話は曖昧になっていく。
「ハイジの村? 近いよ。車で2分くらい。歩いて行ける距離だね」
町内のテーマパーク『ハイジの村』に行くことはまずないが、前の道はよく通るし、明野でも標高の高いその付近は、富士山、南アルプスの山々、八ヶ岳が三方に見渡せるパノラマスポットでもあり、友人が来た時などには、遠まわりして山を眺める場所でもある。

そんなふうに話す機会が増え「歩ける距離」「歩けない距離」と、口にすることも自然と増えた。そのたび、違和感を覚える。
「歩けない距離」と言っても、1時間や2時間、本当に歩けない訳ではない。
息子は中学時代よく、バス代往復千円で本を買うために、韮崎駅までの往復4時間を歩いていた。しかし、それは歩ける距離であるとは言い難い。
だがしかし、とも思うのだ。海の向こうまでは歩いて行くことはできないが、地面がつながっていれば、何処までも歩いては行けるのではないだろうかと。

そんな流れで、行ったことのない遠く知らない数々の土地を、思い浮かべるようになった。歩いて行けるかもしれない、こことつながっている場所に思いを馳せるのは、思いのほか楽しいことだ。
「韮崎の隣町に住んでいるだけのわたしにも、小さな波が打ち寄せたんだな」
そう思わずにはいられない。同じ時代に生きている人と人とは、歩いて行ける場所のように、つながっているのだ。たぶん。
ノーベル賞の余波による影響は、多種多様。きっと数えきれないところで、様々小さな変化が巻き起こっているんだろうな。

肉眼で見た感じにもっとも近い明野から眺めた八ヶ岳の写真です。
毎日のように眺めていると、近いような気がしますが、
歩いて行くことも、登ることも、たぶんないんだろうな。
大村智さんも、韮崎から八ヶ岳を眺めたんでしょね、きっと。

コンパクトデジカメですが、望遠で撮るとこんな感じになります。
権現岳は、形がかっこよくて大好きな山です。

八ヶ岳の中では一番高い山、赤岳。2899mあります。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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