はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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手と懐と、逆輸入

「猫の手も借りたい」と乞われた訳ではないが、娘が手を貸している。
去年オーストラリアに1年間行っていた、上の娘である。何に手を貸しているのかと言えば、ネイルモデル。ネイルの練習にと、文字通り手を貸しているのである。来月のTOEIC試験のためにバイトを辞めたばかりだが、一度試しにと行ってみると、ネイルが映える手と爪だと、見込まれたという。
「人間、取り柄ってあるもんだよねぇ」と、わたし。
「どうせ、ネイルに向いた手と爪がわたしの唯一の取り柄ですよ」と、娘。
「いやいや。きみはたくさん長所を持ってるよ。ぼーっとしてるとことか、ぼーっとしてるとことか、ぼーっとしてるとことか」「それ、長所じゃないし」
などと笑いつつも、手と爪を綺麗に保つべく、ハンドクリームを塗り手袋をして眠る彼女の手は日に日に綺麗になっていくように見える。
「おねぇは、真面目だねぇ」と妹に言われるほど、彼女は素直だ。

ところで「手を貸す」も、そうだが、人の身体の部位は比喩に多く使われる。
彼女は最近、外国人の友人に「懐が温かい」という言葉を教わったそうだ。
中学高校時代、勉強というものに嫌悪しか持たなかった彼女は、こういった逆輸入を体験することが多い。
「今日は、ブランチで」とのわたしの言葉に、
「お母さん、ブランチって英語よく知ってたね?」と、彼女。
「いや、それ、すでに日本語だから」と、呆れつつわたし。

また「女はクリスマスケーキって、知ってる?」と、彼女。
「25過ぎたら、売れ残りで、安くなるっていうんでしょ?」と、わたし。
「えーっ、それ、日本でも言うの?」「日本で言われ始めたんじゃないの?」
などなど。1年間のワーキングホリデーで彼女が吸収したことは、嫌で嫌でしょうがなかった学校での勉強(?)もたっぷり含まれている。

彼女は今「懐が温かい」生活は求めていないようだが、様々な人の「懐に飛び込み」「懐の広い」人になっていってくれたらと、静かに傍観している。

親子なのに、どうして!?というほど、爪のかたちも手の大きさも違います。
おてんば娘なのに、何故!?というほど、お淑やかそうに見えますね。

ハリー「姫の、真似」ネリー「いやーん!」

ネリー「ハリー、ひどい! 倍返しだー!」ハリー「うわっ! ごめーん」

ネリー「ちゅっ♡」ハリー「あれ?」

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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