はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
[485]  [484]  [483]  [482]  [481]  [480]  [479]  [478]  [477]  [476]  [475

地面に近づくことで見えるもの

夫が、庭のライラックを移植した。挿し木でもらった木が増えて、新しく生えてきた分を道路から見える場所に移そうと話していたのだ。
植え替えたばかりのライラックに、水やりをする時、しゃがんで根元にたっぷりあげた。その時ふと隣の金木犀が見えた。
「今年は、金木犀、咲かなかったね」
夫と話していたのだが、小さな花がいくつかついている。
「金木犀、咲いたんだぁ」
ホースを手に、金木犀に見入った。近づくと香る。気がついてよかった。ライラックのおかげだ。

しゃがんで地面に近づくことで、見えてくる風景もある。
保育士時代、立ったまま子どもを叱っていたら、先輩にアドバイスを受けた。しゃがんで子どもと同じ目線になって話してみたら? と。
そのアドバイスのおかげで、母親になってからも子ども達を上から見下ろすのではなく、同じ目線で話すことを忘れずにいられた。

今でも忘れられないシーンがある。
東京は大田区に住んでいた頃、2歳の息子と池上線の石川台駅まで義母を迎えに行った。義母は息子を見て、嬉しそうにしゃがんで「こんにちは」と神戸のイントネーションで挨拶した。すると息子は、自分の目線に合わせて義母がしゃがんだことなどもちろん理解できず、これがお婆ちゃん風の挨拶の仕方だと思ったのか、しゃがんで「こんにちは」と言ったのだ。

しゃがむどころか、芝生の上に寝っころがっていろいろと見た。いつもは見えない風景が、そこには広がっていた。

近づくと確かに金木犀の香り。思いっきり吸い込みました。

ニイニイゼミの抜け殻も、たくさん見つけました。

モミジに落ちてきて、引っ掛かったままのドングリ達。

踊るカマキリも発見。アスファルトが熱いのかと救出しようとしたら、
飛んでいきました。そうだった、きみ、飛べるんだったね。

ガクだけ残った姫シャラごしには、秋の空。

拍手

10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
ご意見などのメールはこちらに midukisae☆gmail.com
(☆を@に変えてください)
Template by repe