はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
[487]  [485]  [484]  [483]  [482]  [481]  [480]  [479]  [478]  [477]  [476

夜の『まるげ』に

「『まるげ』に行こうよ」
娘に誘われて、浮き浮きと『まるげ』に行った。
最寄りの無人駅「穴山」近くのイタリアンバール。娘から聞いてはいたが、わたしはいちげんさん。どんなところだろうかと、想像を膨らませていたのだ。
何しろ『まるげ』で、イタリアンだというのだ。時々道路沿いに見かける道しるべも、木の立札に墨で描いたような文字。〇のなかに「げ」とひらかなでかかれている。イタリアンだとは、思いもよらなかった。
そして、店もその道しるべの雰囲気そのまま。古民家を再利用したのだろうか。黒い梁には穴山駅の時刻表が貼ってあるが、その破れ具合なども年代物だと一目で判る。アンティークなものを家具に置き、落ち着き過ぎた感じは、隠れ家と呼ぶのに相応しい。
料理はピザやパスタ、生ハムのサラダ、イベリコ豚のソテーなど、しっかりイタリアンだったが、種類豊富なメニューのなかに「おこげの茶漬け」などばりばり日本風のものもがあったりして、それも色鉛筆で手書きのイラストメニューでもあり、眺めているだけで楽しくなる。

サラダやタコス、焼き野菜や帆立などを食べ、運転は娘に任せ、気兼ねなく美味しく生ビールを飲んだ。
ふたり何でもないことをしゃべり、娘がデザートのフォンダンショコラを食べるのを眺めつつ、ギムレットも飲んだ。ゆっくりと食べる彼女に合わせ、マティーニも飲んだ。いいお酒に、気持ちよく酔っぱらった。自分的には飲み過ぎた感じはなかったが、ギムレットにマティーニは飲み過ぎだろうと、夫に水を注されるのも癪なので、黙っていようと心に決め『まるげ』を後にした。

しかし翌朝パソコンを開き、「げっ」とは言わなかったものの愕然とした。
娘が「『まるげ』に行った。美味しかったし楽しかった」とfacebookにアップしていて、そこにはわたしが飲んだものすべてが、かかれていた。夫も娘とお友達なので、もちろん見ている。
facebook、恐るべし。そういえば、娘が眠れなかったとか、金縛りにあったとか、話を聞くより先にfacebookで知ることも多いこの頃だ。家族の形も変わってきたのかなぁと考えつつ、いや、変わらないそのままのものが基本にはあるのだと、マティーニに入ったオリーブの味を思い浮かべた。そう。いつの世になろうとも、マティーニにはオリーブが入っているように。

ゲ、ゲ、まるげのげ~ ♪ と歌いたくなるような看板。
でもじつは「ピッツァ・マルゲリータ」が美味しいから付けた名だとか。

店内も暗くて、料理は撮れませんでした。

どんな時も頭上注意? どんなことがあるのやらと思わせる入口。
帰りにしっかり、頭ぶつけました。

拍手

10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
ご意見などのメールはこちらに midukisae☆gmail.com
(☆を@に変えてください)
Template by repe