はりねずみが眠るとき
昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
もみじのプロペラと少年
不意に夕立が来た、日曜の夕方4時。
「あー、フライングしてる!」と、わたし。夫が缶ビールを開けている。
「あ、バレた?」と、彼が言う前に、わたしは冷蔵庫から自分のビールを出し、プルトップを引いた。
「2階のベランダで、飲もうか」と、夫。
「いいねぇ。ヤマボウシの花見だねぇ」と、わたし。
ヤマボウシの花は上に向かって咲くので、木が大きくなるにつれ2階からしか見られなくなってしまった。
「あれ何? もみじに赤いのがくっついてる」と、わたし。
「もみじの花だよ。もみじのプロペラ」と、夫。
確かにプロペラのような形をしている。可愛い。
夫が一眼レフを持って来て、写真を撮り始めた。わたしは隣で、ゆっくりビールを空けた。雨が酷くなり、風も吹いてもみじも揺れる。撮影は難航しているようだった。しかし当然、彼には止める様子はない。もみじのプロペラの一瞬を手に入れるまで、何処までも追いかけていくのだ。わたしは静かに待つしかない。彼の背中ともみじのプロペラ。そして、夕方の薄い闇のなか浮き上がる白いヤマボウシを眺めつつ思う。
「いつまでも、少年だなぁ」
そしてまた、こうも思う。少年よ。いつまでも少年なのはいいけど、家の中でサッカーボール蹴るのは止めて欲しいんだけどな、と。
だんだんに遠くなる雷を聞きながら。
2階から見たもみじ。もみじの花が赤いとは、意外でした。
ほんとにプロペラそっくり! 一眼レフ、違うなぁ。やっぱり。
遠くへ飛んでいくためにプロペラ型の翼を持っているそうです。
ヤマボウシも雨に濡れて、白が栄えていました。
「あー、フライングしてる!」と、わたし。夫が缶ビールを開けている。
「あ、バレた?」と、彼が言う前に、わたしは冷蔵庫から自分のビールを出し、プルトップを引いた。
「2階のベランダで、飲もうか」と、夫。
「いいねぇ。ヤマボウシの花見だねぇ」と、わたし。
ヤマボウシの花は上に向かって咲くので、木が大きくなるにつれ2階からしか見られなくなってしまった。
「あれ何? もみじに赤いのがくっついてる」と、わたし。
「もみじの花だよ。もみじのプロペラ」と、夫。
確かにプロペラのような形をしている。可愛い。
夫が一眼レフを持って来て、写真を撮り始めた。わたしは隣で、ゆっくりビールを空けた。雨が酷くなり、風も吹いてもみじも揺れる。撮影は難航しているようだった。しかし当然、彼には止める様子はない。もみじのプロペラの一瞬を手に入れるまで、何処までも追いかけていくのだ。わたしは静かに待つしかない。彼の背中ともみじのプロペラ。そして、夕方の薄い闇のなか浮き上がる白いヤマボウシを眺めつつ思う。
「いつまでも、少年だなぁ」
そしてまた、こうも思う。少年よ。いつまでも少年なのはいいけど、家の中でサッカーボール蹴るのは止めて欲しいんだけどな、と。
だんだんに遠くなる雷を聞きながら。
2階から見たもみじ。もみじの花が赤いとは、意外でした。
ほんとにプロペラそっくり! 一眼レフ、違うなぁ。やっぱり。
遠くへ飛んでいくためにプロペラ型の翼を持っているそうです。
ヤマボウシも雨に濡れて、白が栄えていました。
HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
ご意見などのメールはこちらに midukisae☆gmail.com
(☆を@に変えてください)
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