はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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サン・セバスチャン散策

夫に、懇願された。「頼むから、ひとりで行かないでくれ」と。
朝食の帰りに、水を買いに、スーパーまで行くだけのことなのに、である。
ホテルの冷蔵庫の水は高価なので、1.5リットルの水を毎日スーパーで買っていて、水を買うのにも慣れていた。
「だいじょうぶだよ。水買うくらい、ひとりで行けるから」
わたしの言い分に、彼は耳を貸さなかった。
「そんなことで、1日ふいにしたくない。だいたい、どっちがホテルだか、判ってるの?」「こっちでしょ?」歩き出すわたしを、彼は制した。
「反対だよ」彼は、呆れた顔をし、結局、ふたりで水を買って帰った。

サン・セバスティアンは、気持ちのいい海辺の街だ。
リゾート化されてしまい、つまらない街になったとの噂もあったが、全くそんなことはなかった。素朴で、人なつっこい街である。

「丘の上まで、登ろうか」夫の提案に「いいね」と、わたし。
ビーチ沿いの道を、歩いた。
「泳いでる!」と、驚く。暖かいとは言え、しっかり秋だ。
「彼らは、寒くないんだねぇ」と、呑気に夫が言う。
「外海まで、散歩しようか」夫の頭から少しずつ丘の上が離れていく。
「おー、結婚式やってる!」「わ、素敵」
笑顔の花婿と、ウエディングドレスの裾を揺らす花嫁が、桟橋を歩いていく。
「シーカヤックだ」「エスキモーロールの練習してるね」
エスキモーロールとは、一度逆さになって海に潜り、くるりと起き上がる技のことだ。ずいぶん前のことだが、夫とふたり、1日カヌー教室に行ったことを、懐かしく思い出した。
「あ、旧市街の入口だ」「おー、いい感じの道」
「とりあえず、調べたバルの場所、確認しに行こうか」と、夫。
「この街を歩いてバルに行ければ、それでいいかな」と、わたし。
そんな風にして、昼からバル巡りの1日は、始まっていったのだった。

迷子になって1日をふいにすることはなかったが、丘には登れなかった。それは、わたしがバル巡りだけでじゅうぶんだと主張したせいだと、夫は言うが、彼だって街を歩くうちにどうでもよくなったのだと、わたしはにらんでいる。

赤ちゃんからお年寄りまで、水着で遊んでいました。

ハッピーウエディング! どうぞ、お幸せに ♪

そのすぐ横では、シーカヤック教室。子ども達は真剣な様子でした。

漁船の停泊所もあります。海の幸が美味しい訳ですねぇ。
  
それでも、街が呼んでいる~。ふらふらと、バルの待つ街へ・・・。

広場では、アートフェスティバル。にぎやかな笑顔がいっぱい。

フェイスペインティングの露店もあって、子ども達が並んでいました。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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