はりねずみが眠るとき
昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
バルセロナ・アクシデント
最終日。ガリシア地方サンティアゴ・デ・コンポステーラから、早朝の飛行機に乗った。ディスカウントの飛行機では、マドリード行きは、バルセロナを経由するしかなく、どうせなら乗り換え時間をたっぷりとって、バルセロナで4時間くらい歩き回ろうと計画した。
「今日は気を引き締めていくよ。バルセロナは、危ないから」と、夫。
「そうだね。最後まで楽しめるように、気をつけよう」わたしも、うなずく。
ここは、日本ではないのだ。ここまでトラブルがなかったことが、ラッキーだったのだと自分に言い聞かせた。
バルセロナでは、前回行かなかったグエル公園を散歩しようと、予定はそれしか入れず、バスと地下鉄で移動した。
昨年旅した時には、回数券を買い、何度も乗った地下鉄。駅名も懐かしい。
「あー、前に歩いたランブラス通り、行きたくなったなぁ」と、わたし。
「グエル公園、やめる?」と、夫もノッテくる。
それでも予定通り、グエル公園に到着。ところが、思わぬアクシデント。観光客が多く訪れるようになったために、入場制限をしているという。
「今販売しているのは、14時半のチケットです」
それでは、飛行機に間に合わない。動物園で檻の外から眺めるかの如く、公園の周りを1周し、ふたり肩をすくめて「グエル公園は、もう見たね」「じゅうぶん見た」と言い合い、ランブラス通りへと向かった。
その地下鉄での出来事。乗ろうとした途端、ホームで少女が何か叫ぶと同時に、警官が走ってきた。わたし達と一緒に乗り込んだ男性5人ほどが、慌てて電車を降り、走り出したが捕まったようだ。何事かときょとんとしていると、スペイン人の男性が、夫に「英語、しゃべれる?」と聞いてきた。
「いやぁ、危なかったよ。あいつら、きみの鞄に手をかける瞬間に、捕まったんだ。気をつけた方がいいよ」
狙いは、夫の一眼レフだろうか。しかし、がたいのいい髭づらの夫を狙うこと自体、不自然だ。狙われたのは、わたしかも知れないと夫は言う。考えてみれば、ふたり取り囲まれた状態だった。地下鉄に乗る時には、ドア周辺に人が集まる。その瞬間を狙うのが手口だとも考えられる。危険が潜んだ街なのだと実感し、背筋が寒くなった。
ぶじ地下鉄を降り、懐かしいランブラス通りに出た。
「サン・ジョセップ市場だぁ。お昼、此処で食べようよ」と、わたし。
「まずは、ビールが飲みたいな。バルセロナの暑さには参ったよ」と、夫。
飛行機までの時間を、そこで過ごすことにした。よく冷えたスペインビールは美味しく、海鮮に舌鼓を打ち、お腹も満たされた。あとは、バス停まで歩き、空港に行けば飛行機が待っている。心配はないだろう、と思っていたが、その5分後、わたしは夫にヘルプ! の電話をかけることとなる。
「もしもし、わたし。トイレのドアが開かない。閉じ込められた」
木製のドアは、建てつけが悪く、うんともすんとも動かなくなっていた。
夫は、女性用トイレに入る訳にもいかず、店の人に訳を話すが、うまく伝わらない。長い長い10分間を過ごし、ようやく救出されたのだった。
「トイレに閉じ込められる人も、珍しいねぇ」夫は、意地悪く笑っている。
「笑い事じゃないよ!」
夫にパンチをくらわすわたしを、店員さんも笑って見ていた。
全く、たった4時間ほどの滞在だったというのに、アクシデントの連続。さすがはバルセロナ。ただでは帰してくれない街なのだ。
グエル公園。入場できた人を、見下ろすわたし達の目線で。
ガウディならではの、リサイクルタイルのモザイク画。
遠くには、サグラダ・ファミリアがうっすらと見えていました。
地下鉄は、グエル公園のあるこの駅から、リセウまで乗りました。
市場を眺めながら飲むビールは、最高! トイレ事件の店で。
サン・ジョセップ市場のにぎわい。市場、大好き~♪
「今日は気を引き締めていくよ。バルセロナは、危ないから」と、夫。
「そうだね。最後まで楽しめるように、気をつけよう」わたしも、うなずく。
ここは、日本ではないのだ。ここまでトラブルがなかったことが、ラッキーだったのだと自分に言い聞かせた。
バルセロナでは、前回行かなかったグエル公園を散歩しようと、予定はそれしか入れず、バスと地下鉄で移動した。
昨年旅した時には、回数券を買い、何度も乗った地下鉄。駅名も懐かしい。
「あー、前に歩いたランブラス通り、行きたくなったなぁ」と、わたし。
「グエル公園、やめる?」と、夫もノッテくる。
それでも予定通り、グエル公園に到着。ところが、思わぬアクシデント。観光客が多く訪れるようになったために、入場制限をしているという。
「今販売しているのは、14時半のチケットです」
それでは、飛行機に間に合わない。動物園で檻の外から眺めるかの如く、公園の周りを1周し、ふたり肩をすくめて「グエル公園は、もう見たね」「じゅうぶん見た」と言い合い、ランブラス通りへと向かった。
その地下鉄での出来事。乗ろうとした途端、ホームで少女が何か叫ぶと同時に、警官が走ってきた。わたし達と一緒に乗り込んだ男性5人ほどが、慌てて電車を降り、走り出したが捕まったようだ。何事かときょとんとしていると、スペイン人の男性が、夫に「英語、しゃべれる?」と聞いてきた。
「いやぁ、危なかったよ。あいつら、きみの鞄に手をかける瞬間に、捕まったんだ。気をつけた方がいいよ」
狙いは、夫の一眼レフだろうか。しかし、がたいのいい髭づらの夫を狙うこと自体、不自然だ。狙われたのは、わたしかも知れないと夫は言う。考えてみれば、ふたり取り囲まれた状態だった。地下鉄に乗る時には、ドア周辺に人が集まる。その瞬間を狙うのが手口だとも考えられる。危険が潜んだ街なのだと実感し、背筋が寒くなった。
ぶじ地下鉄を降り、懐かしいランブラス通りに出た。
「サン・ジョセップ市場だぁ。お昼、此処で食べようよ」と、わたし。
「まずは、ビールが飲みたいな。バルセロナの暑さには参ったよ」と、夫。
飛行機までの時間を、そこで過ごすことにした。よく冷えたスペインビールは美味しく、海鮮に舌鼓を打ち、お腹も満たされた。あとは、バス停まで歩き、空港に行けば飛行機が待っている。心配はないだろう、と思っていたが、その5分後、わたしは夫にヘルプ! の電話をかけることとなる。
「もしもし、わたし。トイレのドアが開かない。閉じ込められた」
木製のドアは、建てつけが悪く、うんともすんとも動かなくなっていた。
夫は、女性用トイレに入る訳にもいかず、店の人に訳を話すが、うまく伝わらない。長い長い10分間を過ごし、ようやく救出されたのだった。
「トイレに閉じ込められる人も、珍しいねぇ」夫は、意地悪く笑っている。
「笑い事じゃないよ!」
夫にパンチをくらわすわたしを、店員さんも笑って見ていた。
全く、たった4時間ほどの滞在だったというのに、アクシデントの連続。さすがはバルセロナ。ただでは帰してくれない街なのだ。
グエル公園。入場できた人を、見下ろすわたし達の目線で。
ガウディならではの、リサイクルタイルのモザイク画。
遠くには、サグラダ・ファミリアがうっすらと見えていました。
地下鉄は、グエル公園のあるこの駅から、リセウまで乗りました。
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サン・ジョセップ市場のにぎわい。市場、大好き~♪
HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
ご意見などのメールはこちらに midukisae☆gmail.com
(☆を@に変えてください)
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