はりねずみが眠るとき
昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
磨きがかかった彼女
オーストラリアで1年過ごし帰ってきた娘は何も変わらないように見えたが、日々共に過ごしていると、やはり微妙な変化を感じずにはいられない。帰って来たばかりの頃は、木の上の猿を見て「あ、コアラ!」などと言っていたが、これはまあ、変化と言うほどのこともないだろう。しかし、ある日の会話。
「なんでさぁ、レンゲでカレー食べてんの?」と、驚きを隠せずに夫。
「別にいいでしょう。何で食べたって」と、娘。
「カレーにレンゲは、ちょっと……」と、わたし。
「だって、そんなこと言ったら、レンゲ使う機会がないじゃん」と、娘。
「ら、ラーメンとか」と、遠慮がちに夫。
「うちでラーメン、食べないし」と、娘はぺろりとカレーをたいらげた。もちろんレンゲで。もともといろいろと気にしない派だったが、それにさらに磨きがかかっているのを感じる。
また、ある日の会話。
「あーっ! 冷凍庫のハーゲンダッツ、サムが『オトウサンに』って買ってくれたやつじゃん。なんでこんなになくなってるの?」
と、娘を責めるように、夫。
「お父さんとわたしにって、言ってたんじゃない?」
と、しれっとした顔で言い放つ、娘。
「いや。確かにお父さんにって、サム言ってた」と、わたし。
「そうだっけ?」と、すべてを知った者の微笑みをたずさえつつ、娘は言う。
その自信に満ちたとぼけようにも、やはり磨きがかかっている。そして。
「サムに、言いつけてやる」と、夫。
「言いつければ?」と勝ち誇ったように、娘。
開き直り方にも、ずいぶんと磨きがかかっているのだった。
我が家の茄子カレーは、フライパンで柔らかく焼いた茄子を最後に入れます。
煮崩れることもないし、茄子の旨味を逃さず食べられます。
ステイしていたサムが去り、1週間が経ちました。
あらためて、彼がいた2週間は濃い時間だったなぁと感じます。
「なんでさぁ、レンゲでカレー食べてんの?」と、驚きを隠せずに夫。
「別にいいでしょう。何で食べたって」と、娘。
「カレーにレンゲは、ちょっと……」と、わたし。
「だって、そんなこと言ったら、レンゲ使う機会がないじゃん」と、娘。
「ら、ラーメンとか」と、遠慮がちに夫。
「うちでラーメン、食べないし」と、娘はぺろりとカレーをたいらげた。もちろんレンゲで。もともといろいろと気にしない派だったが、それにさらに磨きがかかっているのを感じる。
また、ある日の会話。
「あーっ! 冷凍庫のハーゲンダッツ、サムが『オトウサンに』って買ってくれたやつじゃん。なんでこんなになくなってるの?」
と、娘を責めるように、夫。
「お父さんとわたしにって、言ってたんじゃない?」
と、しれっとした顔で言い放つ、娘。
「いや。確かにお父さんにって、サム言ってた」と、わたし。
「そうだっけ?」と、すべてを知った者の微笑みをたずさえつつ、娘は言う。
その自信に満ちたとぼけようにも、やはり磨きがかかっている。そして。
「サムに、言いつけてやる」と、夫。
「言いつければ?」と勝ち誇ったように、娘。
開き直り方にも、ずいぶんと磨きがかかっているのだった。
我が家の茄子カレーは、フライパンで柔らかく焼いた茄子を最後に入れます。
煮崩れることもないし、茄子の旨味を逃さず食べられます。
ステイしていたサムが去り、1週間が経ちました。
あらためて、彼がいた2週間は濃い時間だったなぁと感じます。
HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
ご意見などのメールはこちらに midukisae☆gmail.com
(☆を@に変えてください)
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