はりねずみが眠るとき
昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
新参者のぐい飲み
行きつけの雑貨屋『京MONO』で、夫がぐい飲みを買った。
「違うタイプのぐい飲みが、欲しい」
そう言って選んだのは、古九谷焼き。といっても、その写しだ。何万円もする高価なものではない。
わたしは、どうしても土をこねて焼いた感じのものが好きで、そちらに手を伸ばしがち。そのたびに、夫が言う。
「似たようなのが、あるでしょう」
織部に手を伸ばした時も、然り。すると『京MONO』の店主が、言った。
「以前お買い求めになられた、黒織部と同じ作家さんの作品ですよ」
「ああ、あれ!」
やはりわたしが、気に入って買ったものだった。しかしもう、10年近く前になるのではないだろうか。
彼が覚えていたことに、驚いた。そして嬉しくなった。
「覚えてるなんて、びっくり」と、帰りの道で、わたし。
「それだけ一つ一つの物へのこだわりと愛着があるってことだよな」と、夫。
そのこだわりと愛着に包まれ、店頭で育まれた器達。新しいぐい飲みも、大切に使わせてもらおう。そう思い、食卓に出した古九谷を写したというぐい飲みは、店頭に並んでいる時よりも、ずいぶんと存在感を増していた。
「大切にされてきたモノは、生き生きと輝く場所を心得ているのさ」
新参者のぐい飲みが、つぶやいた気がした。
釣り人が描かれています。周りのエンジが濃いところが、好きです。
木箱のなかには、写した人の略歴が入っていました。
photo by my husband.
黒織部と並べて。対照的な雰囲気ですが、似合いの二つのようにも見えます。
「違うタイプのぐい飲みが、欲しい」
そう言って選んだのは、古九谷焼き。といっても、その写しだ。何万円もする高価なものではない。
わたしは、どうしても土をこねて焼いた感じのものが好きで、そちらに手を伸ばしがち。そのたびに、夫が言う。
「似たようなのが、あるでしょう」
織部に手を伸ばした時も、然り。すると『京MONO』の店主が、言った。
「以前お買い求めになられた、黒織部と同じ作家さんの作品ですよ」
「ああ、あれ!」
やはりわたしが、気に入って買ったものだった。しかしもう、10年近く前になるのではないだろうか。
彼が覚えていたことに、驚いた。そして嬉しくなった。
「覚えてるなんて、びっくり」と、帰りの道で、わたし。
「それだけ一つ一つの物へのこだわりと愛着があるってことだよな」と、夫。
そのこだわりと愛着に包まれ、店頭で育まれた器達。新しいぐい飲みも、大切に使わせてもらおう。そう思い、食卓に出した古九谷を写したというぐい飲みは、店頭に並んでいる時よりも、ずいぶんと存在感を増していた。
「大切にされてきたモノは、生き生きと輝く場所を心得ているのさ」
新参者のぐい飲みが、つぶやいた気がした。
釣り人が描かれています。周りのエンジが濃いところが、好きです。
木箱のなかには、写した人の略歴が入っていました。
photo by my husband.
黒織部と並べて。対照的な雰囲気ですが、似合いの二つのようにも見えます。
HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
ご意見などのメールはこちらに midukisae☆gmail.com
(☆を@に変えてください)
ご意見などのメールはこちらに midukisae☆gmail.com
(☆を@に変えてください)