はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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「おじさん」のラーメン屋

美容室の帰りに、ラーメン屋に寄った。オススメの店を聞いたのだ。
「チェーン店なんだけど、アットホームな雰囲気なんですよ」
店主の、彼女が言うところの「おじさん」が、いい味出しているのだそうだ。ラーメンの味も、奇をてらったものではないが、普通に美味しいのだそうだ。なんとなく、よくいく店と聞き、それっていいかも、と寄ってみた。

昼時だったが平日のこと。「おじさん」と店員の女性とふたりで切り盛りしている小さな店だった。カウンターに座り、メニューをさっと見て「葱味噌ラーメン」を注文。店は、いっぱいというほどではなかったが、3つあるテーブル席は空くと、またすぐに客が入り、繁盛しているのだと判った。あとから来た常連らしき男性が、ぽんぽんと挨拶代わりのジョークを言い合ってから注文すると「じゃ、いきますか」とおじさんが言う。ラーメンをすすりながら、様子をうかがっていると、ふたりはじゃんけんを始めた。おじさん勝利の場合、ラーメンはチャーシュー抜き。常連客勝利の場合、チャーシューは倍になるらしい。結果、おじさんは勝利の雄叫びをあげ「チャーシュー抜きで」と店員の女性に支持した。男性は、がっくりと肩を落としていたが、多分ポーズだろう。チャーシューは入っていたに違いない。
一杯のラーメンを食べ終えるまでに、美容室の彼女が言っていた「雰囲気」は、十二分に味わうことができた。

ラジオからは、よく知っている昔の歌ばかりが流れている。あれ? と箸を持つ手を止めて聴き入ると、竹内まりやの『元気をだして』が流れていた。こういう偶然はよくあることなのだが、さっきまでカーステレオで繰り返しリピートし聞いていた曲だった。縁というものを感じる。
「また、来ちゃうかも。ここ」
ラーメンは、ニンニクが優しいコクを生み出していて、いつもスープは全部飲まないようにしているのだが、気がつくとすっかりたいらげていた。

「写真、撮っていいですか」と聞くと「あ、忘れた」とおじさん。
ぶつ切りチャーシューをカウンター越しに入れてくれました。
ざくっと切った白葱たっぷり、こまかく切った青葱たっぷり入っていました。

甲府の昭和通り沿いにある『ちりめん亭』です。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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