はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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母の思惑

高橋亮子の漫画『坂道のぼれ!』(フラワーコミックス)を読み返した。
一度高校生活に失敗した主人公、亜砂子が、全寮制の高校でルームメート3人に囲まれ、再スタートをするというストーリーだ。大人になる過程の葛藤や、淡い恋がそこ此処に描かれたこの漫画は、十代の頃、何度も読み返したものだ。実家に置きっぱなしになっていたのを、何年か前に母が送ってくれた。
「もう読まないから、処分しちゃって」
はっきりと、そう伝えたにもかかわらず、わざわざ送ってきたというのが正しいいきさつだ。「全くもう。いらないって、言ったのに」とも言えないので「ありがとう」と電話した。
そんな母に呆れつつ、自分もまた捨てられずにこうして読み返しているのだから、母の思惑は満更外れた訳ではなかったのかもしれない。もし、思惑なるものが、母にあったとしたらだが。何故にいらないと言うものを送ってくるのか、わたしとしては理解に苦しむばかりだ。

しかしだ。埼玉で一人暮らしを始めたばかりの末娘から、メールが来た。頼まれていたいくつかの物を入れた荷物が届いたというメールだ。そこには「高校の制服、いらないって言わなかったっけ?」と遠慮がちにかかれていた。最初は持って行くと言っていたのだが、その後やっぱりいらないと言われたような。だがどっちかわからなくなり、何かの時のためにと送ったのだ。
(高校の制服が必要になる何かなど、余りないような気もするが)
そういえば、オーストラリアで上の娘もfacebookにかいていた。「お母さんからの荷物にいつもリラックマが入ってて困る」と。

母の思惑は深いところに眠っていて、気まぐれに目を覚ましたりするものなのだ。娘達よ。思う存分、理解に苦しんでくれ。

くらもちふさこの『おしゃべり階段』も一緒に入っていました。

「なんで、こんなの送ったの?」と、facebookを見て、夫。
「か、緩衝剤だよ」と、わたし。
「緩衝剤ねぇ」と、夫。「緩衝剤で悪い?」と、すでに自棄になったわたし。


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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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