はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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窓にぶつかったメジロ

ごつん、という嫌な音がした。
ウッドデッキに出ると、メジロが脳震盪を起こしていた。微かだが動いているし、目も開けている。首も折れていないようだ。様子を見て、ウッドデッキの隙間から落ちないよう、少しずらしてしっかり木の上に乗せた。
触られても、何が起こっているのか判らないのか、ぼんやりしたままだ。あまり動かないので心配になったが、ちょうど帰ってきた夫に見せると、心配ないだろうと言う。窓に鳥がぶつかることにも、14年間で、少しは慣れてきたが、そのまま死なれると、やはり切ない。
バードセイバーを北側と西側に貼り、予防することでかなり減ってはいるが、なかにはぶつかる鳥もいる。天気のいい日は特に、窓に空が映るのだろう。気持ちよく飛んでいて、ごつん、とぶつかるのだから、鳥の方も可哀想だ。
「メジロォ。しっかりしろ! だいじょうぶかぁ。飛べるかぁ」
聞いているのか判らないが、正気に戻るように話しかけてみる。夫は、興味もないようで、庭のウドを掘っている。

メジロは、10分ほど休み、飛んだ。だが、庭のヤマボウシの枝まで飛び、また5分ほど休んでいた。そしてようやく頭のくらくらも治ったのか、何処かへ飛んで行った。やれやれ、である。

ほんのひと時、一緒にいただけだったが、急にメジロが可愛くなった。
野鳥図鑑で鳴き方を調べ「ちーちー」と鳴いていると、さっきのメジロかなと思ったり、好物だというオレンジを切って枝に刺したりした。当のメジロの方は、わたしのことなど、すっかり忘れているのだろうが。
「まあとにかく何処かで、とりあえず元気に、飛んでくれていたらいいか」
そう思って、気がついた。大人になって家を出た子ども達に対する感情と、何処か似ている。「ただ、元気でいてくれたら、それでいい」と。
何故『巣立つ』という、鳥になぞった言葉を使うのか、判った気がした。

じっとしたまま、ぼんやりしています。くらくらしてる感じ。
メジロって、クチバシ、細くて尖ってるんですね。

メジロがとまった、ヤマボウシは、今年たくさんの花を咲かせました。

ハナミズキよりも、花びらがスマートで、すましているかのよう。

モミジは、花を終わらせ、プロペラ型の種をつけています。
風に乗って、遠くへ遠くへ種を飛ばすためだそうです。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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