はりねずみが眠るとき
昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
季節外れの蓮池
季節外れの蓮池を訪れたのは、夢を見たせいだ。
夢のなかで、わたしは無口な女子高生だった。友達もなく、窓際で校庭を眺めながら本を読むのが好きだった。教室は、さして居心地は悪くなく、みなが適当に距離を置き、マイペースに過ごしているようだった。
突然話しかけてきたのは、クラスメイトの妹で、あどけなさ残る小学生だった。彼女は、わたしが制服のポケットで飼っていた蛙と、友達になりたいと言う。彼女の姉であるクラスメイトは、毎日学校に妹を連れて来ていた。
何故、わたしの蛙のことを知っているのだろう。誰にも話していないのに。不思議に思いつつ、わたしはポケットから蛙を出し、彼女の手のひらに乗せた。
(どうして、学校に妹を連れて来てるの?)
クラスメイトに聞きたかったが、聞いてはいけないような気がしてやめた。
次の瞬間、わたしは蛙を彼女の手のひらからポケットに戻すと、逃げた。追手が来たのだ。生活指導の目つきが鋭い男性体育教師だ。
蛙を池に、放さなくては。走って階段を下り、校庭を突っ切る。蛙はその池が好きで、放課後、そこで餌を捕らせるのが習慣になっていた。
走って、走って、走って。ようやく池にたどり着いた。なのに、そこに池はなかった。ポケットを探ると、蛙もいない。追手の教師も、消えた。クラスメイトも、その妹も、消えたのだと判る。呆然と立ち尽くし、後悔した。
(どうして、学校に妹を連れて来てるの?)
あの時、彼女に聞かなくては、いけなかったのだと。一歩近づいて、距離を縮めていれば、こんなことにはならなかったのにと。
渇いた校庭の砂を見つめたまま、目が覚めた。
久しぶりに行った蓮池に、蛙はいなかったが、池はそこにあった。
今度同じことが起こったら、彼女達に、一歩近づくことができるだろうか。
前夜の雨が、蓮の葉の上で、宝石のように光っていました。
紫陽花も、たくさん植えられていて、梅雨の季節が楽しみです。
桜の木の下で、1時間ほど読書しました。誰も現れませんでした。
夢のなかで、わたしは無口な女子高生だった。友達もなく、窓際で校庭を眺めながら本を読むのが好きだった。教室は、さして居心地は悪くなく、みなが適当に距離を置き、マイペースに過ごしているようだった。
突然話しかけてきたのは、クラスメイトの妹で、あどけなさ残る小学生だった。彼女は、わたしが制服のポケットで飼っていた蛙と、友達になりたいと言う。彼女の姉であるクラスメイトは、毎日学校に妹を連れて来ていた。
何故、わたしの蛙のことを知っているのだろう。誰にも話していないのに。不思議に思いつつ、わたしはポケットから蛙を出し、彼女の手のひらに乗せた。
(どうして、学校に妹を連れて来てるの?)
クラスメイトに聞きたかったが、聞いてはいけないような気がしてやめた。
次の瞬間、わたしは蛙を彼女の手のひらからポケットに戻すと、逃げた。追手が来たのだ。生活指導の目つきが鋭い男性体育教師だ。
蛙を池に、放さなくては。走って階段を下り、校庭を突っ切る。蛙はその池が好きで、放課後、そこで餌を捕らせるのが習慣になっていた。
走って、走って、走って。ようやく池にたどり着いた。なのに、そこに池はなかった。ポケットを探ると、蛙もいない。追手の教師も、消えた。クラスメイトも、その妹も、消えたのだと判る。呆然と立ち尽くし、後悔した。
(どうして、学校に妹を連れて来てるの?)
あの時、彼女に聞かなくては、いけなかったのだと。一歩近づいて、距離を縮めていれば、こんなことにはならなかったのにと。
渇いた校庭の砂を見つめたまま、目が覚めた。
久しぶりに行った蓮池に、蛙はいなかったが、池はそこにあった。
今度同じことが起こったら、彼女達に、一歩近づくことができるだろうか。
前夜の雨が、蓮の葉の上で、宝石のように光っていました。
紫陽花も、たくさん植えられていて、梅雨の季節が楽しみです。
桜の木の下で、1時間ほど読書しました。誰も現れませんでした。
HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
ご意見などのメールはこちらに midukisae☆gmail.com
(☆を@に変えてください)
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