はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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雑草も、うつむいて何かに思いを馳せる

ふきのとうが顔を出したんならと、水仙の咲く花壇の落ち葉の絨毯をめくってみた。やはり顔を出していた。水仙の芽がいっぱい。可愛い。何年か前にご近所さんにいただいてから、毎年咲く。花は薄めの黄色だ。
「そろそろ、落ち葉、片づけなくちゃなぁ」
毎年そう思いながらも、寒さに負け、億劫でもあり、落ち葉の絨毯は放りっぱなし。それでも強い植物は生き残る。その強さが、顔をのぞかせた緑の芽に感じられて愛おしくなる。

水仙の花言葉は「うぬぼれ」「自己愛」など、あまり好ましい言葉ではないが、ギリシャ神話に登場する美少年「ナルキッソス」(ナルシスト?)に由来すると言われている。ナルキッソスは、たくさんの女性から言い寄られるも、相手にせず恨みを買う。その噂を耳にした義憤の女神「ネメシス」は、水面に映る自分の姿に恋するよう魔法をかけた。彼はその片恋に憔悴して死に、水辺で水面をのぞくように咲く水仙になったという。
落ち葉に埋もれたうちの庭に芽を出す水仙には、そんな神話は似合わない。ただ力強く太陽を目指す雑草そのものだ。雑草だって、うつむいて何かに思いを馳せることもあるのだ。極々普通に生きているわたし達だって、そうであるように。うつむきがちに水仙が花を咲かせる時が待ち遠しい。

陽の光を浴びる緑に、うっとり見とれます。ついつい、時間を忘れて。
冷たい庭にも、春は一歩一歩、歩み寄って来ています。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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