はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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自分を信じてみる

久しぶりに映画館で映画を観た。久保田健彦原作『みなさん、さようなら』
伊坂幸太郎原作の『アヒルと鴨のコインロッカー』『ゴールデンスランバー』『ポテチ』などを監督した中村義洋監督作品。そして主演は濱田岳。『アヒルと―』と『ポテチ』では主役『ゴールデンスランバー』では殺し屋を演じた、中村作品お馴染みの役者だ。

主人公、悟(さとる)は「僕は一生、団地の中だけで生きていく」と12歳の春に決めた。1980年代。大型団地には何でも揃った商店街が栄え、その中でだけ生きていくこともできなくはなかった。恋も、就職も、結婚だって。
その悟の団地の中での青春、12歳から30歳を濱田岳が演じている。
濱田くんはもちろんいい味出してたが、秀逸だったのは、大塚寧々演じる悟の母親だ。団地から出ないと決めた悟に向き合い、信頼し、認めて応援した。
もし本当だったら、もし自分の子どもがこの場所から出ないで生きていくと言ったら、心配で心配で放っておけないだろう。しかし悟の母親は、放っておくのではなく、自分の目でしっかりと見つめ、彼を信じて認めた。すごいなぁと思った。そしてそれって何より悟が、自分を信じているからなんだよなぁと。いい映画だった。

わたしはもう、すっかりすぎるほど大人の年齢だが、なかなか自分を信頼できない。飽きっぽく忘れっぽく、うっかりの失敗も数知れず。不器用で人一倍努力しないと人並みにできないくせに、その努力も得意じゃない。それでも少しずつは成長もしてるはず。不覚なやつではあるけれど、そろそろ少しは自分を信じてみてもいいかも。そんな気持ちで映画館から出ると、ビルの狭間に晴れた冬の空が広がっていた。

テアトル新宿は、人もまばらでゆったりとしていました。
小さな映画館でひとりで観るには、最適の映画でした。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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