はりねずみが眠るとき
昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
雲がかかった富士山
車で、韮崎駅へ向かう途中に、富士山が見えた。
「あ、富士山」と、上の娘、24歳。「あ、綺麗だね」と、わたし。
しかし富士山には、雲が何層にもかかっていて、すっきりと綺麗に見えているとは言えなかった。つい、口に出る。
「でも、もうちょっと、雲が流れてくれたらいいのにね」
娘は、わたしの言葉には反応せず、富士山を見ている。
その娘の顔を、チラリと見て気づく。
「そうか。今見えている富士山は、今しか見えない富士山なんだ」と。
ヨーロッパを巡る長旅に出る娘は、しばらく富士山を見ることはないだろう。わたしの言葉は、その思いから出たのだが、彼女はもう違う方向を見ていた。
「もうちょっと、こうだったら」
そんな思いは、彼女のなかにはなかった。今この時に、見えるものを、感じられることを、そのまんまに受け入れて、穴が空くほど見よう、感じよう。
それは挑戦的なものではなく、とても静かな決心のように思えた。
「で、いつ帰るのか、決めてるの?」と、わたし。
彼女は笑って言った。「いつか、帰ってくるよ」
帰り道、振り返ると、富士山は雲に埋もれていた。梅雨晴れの雲間に姿を現した富士の姿は、旅立つ彼女へのプレゼントだったのかも知れない。
わたしも受け止めよう。「もうちょっと、こうだったら」とは思わずに、毎日見える、そして見えない富士山を。
娘を送り、帰って来て、ひとりのんびり散歩しました。
散歩コースでは、今、ネムノキが花盛りです。
オカトラノオも、ちらほら見かけるようになりました。
クヌギの若い葉は、ポインセチアを連想させます。
にょきっと落ち葉のなかから顔を出した、きのこ。毒ありそう。
「ただいまぁ」と帰ると「おかえりー」と、玄関でコクワくん。
季節ごとに違う顔を見せてくれる道を散歩する幸せ、感じます。
「あ、富士山」と、上の娘、24歳。「あ、綺麗だね」と、わたし。
しかし富士山には、雲が何層にもかかっていて、すっきりと綺麗に見えているとは言えなかった。つい、口に出る。
「でも、もうちょっと、雲が流れてくれたらいいのにね」
娘は、わたしの言葉には反応せず、富士山を見ている。
その娘の顔を、チラリと見て気づく。
「そうか。今見えている富士山は、今しか見えない富士山なんだ」と。
ヨーロッパを巡る長旅に出る娘は、しばらく富士山を見ることはないだろう。わたしの言葉は、その思いから出たのだが、彼女はもう違う方向を見ていた。
「もうちょっと、こうだったら」
そんな思いは、彼女のなかにはなかった。今この時に、見えるものを、感じられることを、そのまんまに受け入れて、穴が空くほど見よう、感じよう。
それは挑戦的なものではなく、とても静かな決心のように思えた。
「で、いつ帰るのか、決めてるの?」と、わたし。
彼女は笑って言った。「いつか、帰ってくるよ」
帰り道、振り返ると、富士山は雲に埋もれていた。梅雨晴れの雲間に姿を現した富士の姿は、旅立つ彼女へのプレゼントだったのかも知れない。
わたしも受け止めよう。「もうちょっと、こうだったら」とは思わずに、毎日見える、そして見えない富士山を。
娘を送り、帰って来て、ひとりのんびり散歩しました。
散歩コースでは、今、ネムノキが花盛りです。
オカトラノオも、ちらほら見かけるようになりました。
クヌギの若い葉は、ポインセチアを連想させます。
にょきっと落ち葉のなかから顔を出した、きのこ。毒ありそう。
「ただいまぁ」と帰ると「おかえりー」と、玄関でコクワくん。
季節ごとに違う顔を見せてくれる道を散歩する幸せ、感じます。
HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
ご意見などのメールはこちらに midukisae☆gmail.com
(☆を@に変えてください)
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