はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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誰かを、思い出す季節

すべては意識の外にあり、街で見かけるツリーにも無反応。子ども達の枕元に、真夜中こっそりプレゼントを運ぶ時期もとうに過ぎた。そんなわたしだが、やはり季節は平等にクリスマスを運んでくる。

電車の待ち時間、雑貨を見て歩いた。するといつにないことに思ってしまう。
「あ、これ、末娘に似合いそう」「これは、上の娘に」
「彼女(友人)は、こういうの好きそうだな」「これは、義母に」
「これなんか、お世話になった、あの方へいいかも」
プレゼントをするつもりもないくせに、俄然買う気満々になり、誰かを思い出し、また誰かを思い出し、電車を乗り過ごしてまで物色した。

けれど結局、夫は壊れたステレオを買い替えたいからクリスマスにと言っていたし、大学生の娘達には、サンタからひらりとお札が降ってくることになっている。第一母親が選んだアクセサリーやら帽子やら、喜ぶとも思えない。見るだけ見て、気に入ったミニバッグを一つ、自分に買った。

知らず知らずにクリスマス、わたしにもやって来ているのだなぁと実感した。
誰かを不意に思い出す、不思議な季節だ。そして忘れる間もなく、年賀状という仕事が待っていて、誰それは、また誰それはどうしているやらとまた思う。忘年会シーズンとは言うけれど、思い出すことの方が多いかも。

バッグは色もサイズも揃っていて、迷いました。

ペンケースや手袋、象のぬいぐるみもありました。

「きみ、新人くん? なかなかいい色じゃない」と、ハリー。
「うん。手触りもいいね。それに、ひどく軽いんだね」と、ネリー。
手袋のはりねずみ2匹が、活躍する季節になりました。
「か、かまないでぇ」と、新人くん、ややおびえている様子。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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