はりねずみが眠るとき
昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
熊目撃情報は実りの秋に
子どもの頃、熊に引っ掻かれたことがある。
両親の田舎、北海道に帰省した時のことだ。今では人道的にありえないが、わたしが小学生の頃にはまだ、木彫りの熊を置く土産屋の店先に小熊がつながれているのをよく目にした。客寄せだ。その熊に引っ掻かれた。
「あ、熊さんだー。かわいい!」と出した手をがりっとやられた。
不注意極まりない子どもである。幸いかすった程度だったらしく親に叱られただけで済んだと記憶している。もちろん痕も残っていない。
久しぶりに思い出したのは、このところ毎日のように流れている防災無線での熊目撃情報を聞いたからだ。
一週間前町の中心近くで目撃され、三日前にはこちら寄りの山の方で目撃されている。稲が重そうに頭をたれる頃、いつも熊さんは山を下りてくる。
「びっきーの散歩中に会ったらどう行動する?」と夫。
「逃げるしかないよね。びっきーのリードは離して」とわたし。
「猿に会った時、びっきー吠えた?」先週猿と遭遇した際、彼は寡黙だった。
「吠えなかった」「やっぱり。頼りにはできないな」
ちなみにびっきーはひどく臆病で、そのくせ自分より小さな犬には吠えるけっこうわかりやすい性格だ。
「びっきーは逃げ足は速いだろうから、まず自分の身を守るしかないね」
「熊は相当足速いらしいから、逃げきるのはむずかしいだろうな」
「とにかく出会いがしらがないように気をつけるしかないか」
熊は人間を襲うつもりはないと言う。ただ思いがけず出会ってしまい恐怖を感じると身を守るために襲うのだそうだ。
娘には言ってある。
「もしびっきーがリード付けたままひとりで帰ってきたら、日本野鳥の会所属のご近所さんに電話してね」
「やだなぁ、その状況」と娘は顔を曇らせ「目撃ってすごい言葉だよね。目で撃つだよ」と話を変えた。
ふたたび子どもの頃の記憶に戻るが、猿にも引っ掻かれたことがある。
「あ、お猿さんだー。かわいい!」がりっである。まったく不注意極まりない子どもだ。それから少しは成長しているはずだが、不安だ。
熊を近づけないように鳴らして歩く「熊鈴」と
熊を一時的にやっつける「熊スプレー」
両親の田舎、北海道に帰省した時のことだ。今では人道的にありえないが、わたしが小学生の頃にはまだ、木彫りの熊を置く土産屋の店先に小熊がつながれているのをよく目にした。客寄せだ。その熊に引っ掻かれた。
「あ、熊さんだー。かわいい!」と出した手をがりっとやられた。
不注意極まりない子どもである。幸いかすった程度だったらしく親に叱られただけで済んだと記憶している。もちろん痕も残っていない。
久しぶりに思い出したのは、このところ毎日のように流れている防災無線での熊目撃情報を聞いたからだ。
一週間前町の中心近くで目撃され、三日前にはこちら寄りの山の方で目撃されている。稲が重そうに頭をたれる頃、いつも熊さんは山を下りてくる。
「びっきーの散歩中に会ったらどう行動する?」と夫。
「逃げるしかないよね。びっきーのリードは離して」とわたし。
「猿に会った時、びっきー吠えた?」先週猿と遭遇した際、彼は寡黙だった。
「吠えなかった」「やっぱり。頼りにはできないな」
ちなみにびっきーはひどく臆病で、そのくせ自分より小さな犬には吠えるけっこうわかりやすい性格だ。
「びっきーは逃げ足は速いだろうから、まず自分の身を守るしかないね」
「熊は相当足速いらしいから、逃げきるのはむずかしいだろうな」
「とにかく出会いがしらがないように気をつけるしかないか」
熊は人間を襲うつもりはないと言う。ただ思いがけず出会ってしまい恐怖を感じると身を守るために襲うのだそうだ。
娘には言ってある。
「もしびっきーがリード付けたままひとりで帰ってきたら、日本野鳥の会所属のご近所さんに電話してね」
「やだなぁ、その状況」と娘は顔を曇らせ「目撃ってすごい言葉だよね。目で撃つだよ」と話を変えた。
ふたたび子どもの頃の記憶に戻るが、猿にも引っ掻かれたことがある。
「あ、お猿さんだー。かわいい!」がりっである。まったく不注意極まりない子どもだ。それから少しは成長しているはずだが、不安だ。
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熊を一時的にやっつける「熊スプレー」
HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
ご意見などのメールはこちらに midukisae☆gmail.com
(☆を@に変えてください)
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