はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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氷の厚さに南半球にいる娘を思う

犬小屋の横に置いてあるびっきーの水が毎日凍る。
その厚さも日に日に分厚くなってきた。落ち葉や松葉が舞い降りてきては、氷を飾っている。氷を捨て新しい水を入れると、びっきーは待ちかねていた様子で喉をならし飲み始める。
寒いのに冷たい水ではからだも冷えるばかりだろうと、ぬるま湯を入れたこともあった。しかし完全に彼の気を損ねたようで、酷い仕打ちだとでも言うように憮然とした顔をし、ぬるま湯の中に周りの土を鼻で掘って入れ、あっと言う間に水をダメにしてしまった。温かいお湯ではなく水に近いぬるま湯だが、びっきーにとっては水ではない他のものに思えるのだろう。何度繰り返しても同じことをするので根負けした。彼の要求通り、氷のように冷たい外の水道水を入れるしかないと悟った。
頑固だよなぁと、半ば呆れつつ思う。この分厚い氷くらいの頑固さだ。言葉が通じたら、わかってくれるのだろうか? いやいや、理由を理路整然と語り反論したりするのかもしれない。

「真夏のオーストラリアで扇風機の風に涼んでるきみの飼い主から、2月半ばに帰るってメールがあったよ」
びっきーに報告した。
娘には、水が冷たかろうがぬるかろうが気にも留めない大らかな所もあるが、びっきーの頑固さは、やはり飼い主譲りだろう。こうと決めたら譲らない頑固さも持ち合わせているのだ。この分厚い氷ほどの、そう簡単には溶けそうにない頑固さ。そうでもなければ、片言の英語を使い、ひとり海外で1年間働いたりなど、できないだろうとは思ってもみるが。
「びっきーが、首を長くして待ってるよ」
分厚い氷を眺めつつ、寒空の下、南半球にいる娘に向けてつぶやいた。2月。真夏のオーストラリアから春を連れて帰って来てくれるかな。

フィットの外気温表示では今のところの最低気温は-8℃。
氷も分厚くなる訳ですね。
道路の雪もまだ少し残っていますが、タイヤが滑るほどではありません。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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