はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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砂利に咲いた千日紅

千日紅が、咲いている。
韮崎駅近くのその駐車場を借りて、もうすぐ1年。
「そうか。1年経ったんだ」
千日紅に話しかけるでもなく、つぶやく。
1年前にその駐車場を借りることに決めた時にも、砂利に淡々と、と言った風に千日紅は咲いていた。
植物はすごいなぁと思う。忘れず芽を出し花を咲かせる。千日紅に教えられなかったら、駐車場を借りて1年経ったことも思い出さず、ただ車を停め、駅に急ぐだけだっただろう。
あの時は、長く借りていた駐車場でトラブルがあり、ささくれた気持ちで新しい場所を探していたのだ。千日紅はそこに咲いていた。ささくれた気持ちを溶かすように、柔らかい色合いで、静かな風に揺れていた。

毎日する洗濯や食事の支度は忘れたくとも忘れられないし、生業としている経理事務の月々のサイクルでのいろいろも忘れようがない。繰り返しすることは忘れにくいのだ。しかし、年単位だったり、イレギュラーな予定などは忘れることが多く、花達に思い出させてもらうことも多い。1年前のこと。何年か前の同じ季節のこと。季節など心の片隅からも追いやられるほどに忙しい時、ああ、もうこんな時期なのかとハッとさせられることもある。
そうやって季節を教えてくれるのは、桜などの注目を集める花ではなく、大抵は野に咲く小さな花なのだ。

駐車場のあちらこちらに咲いていました。可愛くて大好きな花です。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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