はりねずみが眠るとき
昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
ピンクのトイレ
我が家のトイレは、信じられないことにピンク色だ。もちろんトイレ全体ではない。洋式のウォシュレット付きのイナックスの便器のことだ。これがトイレ全体ならば覚悟も決めよう。しかしクールなみずがめ座であるはずのわたしに、これは受け入れ難かった。家を建てたばかりの頃、トイレに入る度に落ち込んだ。「何故に、ピンク色に」と。
設計段階では、夫婦でイナックスのショールームに足を運び、設計士さんと共に型番まで決めたトイレはシックな空色だった。2つあるトイレの片方は、今でも型番通りのシックな空色だ。引っ越しの日に玄関のドアが付いていなかったのにも驚いたが、ピンクのトイレは衝撃的だった。ドアはこれから付く。しかし、トイレの色は変わりようがないのだ。
「どうしてまた、ピンクに?」驚くわたしに、設計士さんは答えた。
「大人のスペースは空色で、子ども達のスペースはピンクでしたよね?」
そうなのだ。設計士さんはイメージカラーを自分で考え、相談して決めたと思い込んでしまったのだ。そして2階にある子ども部屋から階段を下りた場所にあるトイレは、子どもスペースだからピンクにと。
こだわりが強く、一つ一つに意味を考え、設計をする人だった。こだわり過ぎ、意味を考えすぎた結果の一つがピンクのトイレなのだった。
一昨年、その設計士さんも亡くなった。我が家を建てた時にも十分お歳で、最後の作品になったと、のちに聞くことになった。
ピンクのトイレと共に、様々のものをいただいた。建てる前に此処の土を掘り、その土をこねて焼いたというぐい飲みも、その一つだ。わたし達に合った家をと設計してくれたことに、とても感謝している。今ではすっかり馴染んだトイレのピンク色を見て、ただ思う。情熱を傾けるということを体当たりで見せてくれた、人間らしい設計士さんだったなぁと。
ごつごつとして頑固そうな表情のぐい飲みは、設計士さんを思わせます。
頑固親父としても、設計と同じくらいにプロだったかも。
設計段階では、夫婦でイナックスのショールームに足を運び、設計士さんと共に型番まで決めたトイレはシックな空色だった。2つあるトイレの片方は、今でも型番通りのシックな空色だ。引っ越しの日に玄関のドアが付いていなかったのにも驚いたが、ピンクのトイレは衝撃的だった。ドアはこれから付く。しかし、トイレの色は変わりようがないのだ。
「どうしてまた、ピンクに?」驚くわたしに、設計士さんは答えた。
「大人のスペースは空色で、子ども達のスペースはピンクでしたよね?」
そうなのだ。設計士さんはイメージカラーを自分で考え、相談して決めたと思い込んでしまったのだ。そして2階にある子ども部屋から階段を下りた場所にあるトイレは、子どもスペースだからピンクにと。
こだわりが強く、一つ一つに意味を考え、設計をする人だった。こだわり過ぎ、意味を考えすぎた結果の一つがピンクのトイレなのだった。
一昨年、その設計士さんも亡くなった。我が家を建てた時にも十分お歳で、最後の作品になったと、のちに聞くことになった。
ピンクのトイレと共に、様々のものをいただいた。建てる前に此処の土を掘り、その土をこねて焼いたというぐい飲みも、その一つだ。わたし達に合った家をと設計してくれたことに、とても感謝している。今ではすっかり馴染んだトイレのピンク色を見て、ただ思う。情熱を傾けるということを体当たりで見せてくれた、人間らしい設計士さんだったなぁと。
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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
ご意見などのメールはこちらに midukisae☆gmail.com
(☆を@に変えてください)
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