はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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クリーニング屋のおばちゃん

土曜の夕方。1週間分の夫のYシャツが、クリーニングからあがってきた。
ホッとして、胸を撫で下ろす。いろいろあって出すのが遅くなり、仕上がってくるか不安だったのだ。急いで仕上げてもらい、感謝である。

だが、その「いろいろ」のひとつには、クリーニング屋のおばちゃんがおしゃべり好きだと言うことが含まれる。出がけにちょっと寄って、と思っていたら、電車に乗り過ごした。などということになり兼ねず、ここ山梨で電車に乗り過ごすと、30分や1時間は、次の電車まで待たねばならず、ちょっと寄る訳にはいかないのだ。

けれど、そのおばちゃんとのおしゃべりは、楽しみでもある。
そう言えば、末娘が小学生の頃、よく連れて行ったものだったが、彼女も、おばちゃんにとてもなついていた。可愛がってくれる大人を瞬時に察知し、甘えるのが上手な子どもだったのだ。
「ワンちゃん、見せてください」はきはきと、笑顔で言う。
おばちゃんは「いいよ。吠えるけど、噛まないからね」などと嫌な顔一つせず、いつでもミニチュアダックスフントを、抱えて来てくれた。
「夏休みは、何してるの?」と聞かれれば、娘は胸を張って答える。
「ごろごろ、してます」おばちゃんは「それが一番さよ」と笑っていた。

ある時など「全く、ほんとに、いつもいつも可愛いんだから。お小遣いあげちゃう!」と言って、何と百円玉を娘に握らせていた。
娘は、満面の笑みをたたえ「ありがとう!」と、はきはきと礼を言っている。
もし、それが7つ年上の息子の時だったら、母親1年生らしく杓子定規に「理由もなく、お金なんて貰えません」と、返していたかも知れないが、母親になって10年以上経っていたわたしは「おばちゃん、しょうがないなぁ」と苦笑し「よかったね」と、娘に言ったのだった。

おばちゃんは、最近、娘の話をすると、ちょっと淋しそうにする。
「もう二十歳になったんですよ」と、わたしが言うと、目を細めて、
「あんなんちっちゃかったのに、もう二十歳けぇ」と甲州弁で言いながら。
だからいつも、時間に余裕をもって、おばちゃんの店に向かうのだ。

クリーニング屋さんとは関係ありませんが、夫がもらってきた洗濯用石鹸。
単身赴任中の高校時代の友人が、何ともマメな人で、愛用しているそうです。
飲み会で「おまえも、洗えや」と神戸の言葉で言いつつ配っていたとか。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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