はりねずみが眠るとき
昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
茗荷と物忘れ
庭の茗荷が、花を咲かせた。嬉しい。待っていたのである。
茗荷達が、頭をのぞかせているのは知っていた。だが、収穫するにはまだやせっぽちだ。お菓子の家の人食い魔女よろしく、太れ太れと唱えながら、花が咲くのを今か今かと待ちわびていた。ようやくその時が来たのだ。
「茗荷の味が、濃いねえ」
朝食の味噌汁をすすり、夫がうなずきつつ言う。確かに、味が濃い。小松菜とシメジの味噌汁だったが、たっぷり入れた薬味である茗荷の主張が強く、茗荷汁と言ってもいいような味わいになってしまった。
春からこちら、毎朝の味噌汁の薬味は茗荷と決めて、収穫できずにいる間も買って来て入れていたが、やはり獲れたては違う。
茗荷を収穫し、そう言えば、と思い出した。「茗荷を食べると物忘れをする」という諺である。だが毎日、茗荷を食べていて、最近とみに物忘れがひどくなったかと言えば、そうでもない。というのは、もうずいぶんと前から、十年以上前だろうか、物忘れがひどいなあと感じてから、たいして変わらないような気がしていたのだ。しかし、茗荷の諺をすっかり忘れていたことには、ショックを受けた。物忘れを物忘れとも思わぬほど、進行していたのだろうか。いやしかし「灯台下暗し」という諺もある。それだけ茗荷が生活のなかで身近な存在になったという証かも知れない。
ということで、茗荷を食べすぎたがために物忘れが進行したという説は忘れることにして、これからしばらく庭の茗荷を美味しく楽しくいただこうと思う。
花を咲かせた茗荷達。順番に収穫するから、待っててね。
収穫した茗荷です。美しいです。
茗荷の味噌汁には、花も入れました。
家庭菜園で作ったといただいた野菜や、もずく、納豆と一緒に、朝ご飯。
茗荷達が、頭をのぞかせているのは知っていた。だが、収穫するにはまだやせっぽちだ。お菓子の家の人食い魔女よろしく、太れ太れと唱えながら、花が咲くのを今か今かと待ちわびていた。ようやくその時が来たのだ。
「茗荷の味が、濃いねえ」
朝食の味噌汁をすすり、夫がうなずきつつ言う。確かに、味が濃い。小松菜とシメジの味噌汁だったが、たっぷり入れた薬味である茗荷の主張が強く、茗荷汁と言ってもいいような味わいになってしまった。
春からこちら、毎朝の味噌汁の薬味は茗荷と決めて、収穫できずにいる間も買って来て入れていたが、やはり獲れたては違う。
茗荷を収穫し、そう言えば、と思い出した。「茗荷を食べると物忘れをする」という諺である。だが毎日、茗荷を食べていて、最近とみに物忘れがひどくなったかと言えば、そうでもない。というのは、もうずいぶんと前から、十年以上前だろうか、物忘れがひどいなあと感じてから、たいして変わらないような気がしていたのだ。しかし、茗荷の諺をすっかり忘れていたことには、ショックを受けた。物忘れを物忘れとも思わぬほど、進行していたのだろうか。いやしかし「灯台下暗し」という諺もある。それだけ茗荷が生活のなかで身近な存在になったという証かも知れない。
ということで、茗荷を食べすぎたがために物忘れが進行したという説は忘れることにして、これからしばらく庭の茗荷を美味しく楽しくいただこうと思う。
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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
ご意見などのメールはこちらに midukisae☆gmail.com
(☆を@に変えてください)
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